新潟文楽工房のヤマダマコトさんの作品です。
ヤマダマコトさんの作品の中で大好きなシリーズがこの天化シリーズですね。
これまでも1作目から読んでいます。
3作目からはずいぶんと期間が空きました。
3作目でいったん完結という形でも良かったのですが、ファンとしては続きが読めるというのは嬉しいものです。
当時人物
卜部航
この物語の主人公。
天朝流天化師の跡取り息子。
元は末っ子の一人息子でしたが、妹ができてからはちょっとは兄らしく自覚も芽生えてきたのかもしれません。
現在大学を目指して浪人中の二十歳。
自己評価以上に天化師としての才能はある人物です。
卜部コガネ
卜部化粧品店を実質店長として切り盛りしている卜部家の次女。
航と歳が近い姉。
もと不登校児。
航とは姉弟ながらも血縁ではありません。
神蔵の天化師の家に生まれましたが、幼い頃に卜部家ニ養女として引き取られました。
彼女なりの考えで左目を失っています。
卜部聡美
航についに妹ができました。
元神蔵の天化師の家に生まれましたが、とある大事件がもとで行き場を失った彼女を引き取ったのが、卜部家です。
花の女子高生ですが、通信制でキャピキャピした感じでもないです。
コガネとは腹違いの姉妹です。
卜部綾乃
できの良い一番上の姉。
美人で頭もよく、天化師としての力量も抜群です。
あまりのスーパーウーマン過ぎて登場シーンを制限しているのでは？と思えるほどですね。
波多野美咲
綾乃の高校時代からの親友で、現在はアイドル声優として活躍中。
カラオケ店の看板娘で歌がものすごく上手で声帯模写も得意。
航の初恋の人だったりします。
あらすじ
新潟で起きた連続殺人事件。
そしてその殺人は相手の顔を破壊するという猟奇的なものでした。
新潟県警はこれまでの経緯から天化と関わりがある可能性を考え、卜部家へ協力を要請します。
受験を控えた浪人中の航でしたが、被害者の一人に長姉の綾乃の友人がいたのです。
航は受験どころではなくなり、犯人逮捕のためにその力を注ぎます。
しかし、今回の犯人は天化師ではなかったのです。
犯人は天化師の恐ろしさも理解したうえで、挑戦状を叩きつけるかのごとく航たちに挑んできます。
今回の作品は天化シリーズのファンが読めば楽しめる作品。
「宵闇天化」と「天化JK」を読んでいれば特に楽しめるでしょう。
やはり登場人物に思い入れがないとあまり楽しくないかもしれませんが、天化という特殊能力を駆使したアクションが楽しいです。
今作からはコガネの妹である聡美が登場し、主人公航が兄となったのもなんだか嬉しいですね。
コガネと聡美は腹違いの姉妹で血縁ですが、航はふたりとも血縁ではないです。
そして二人にとって航はとても大切な人。
そういう淡い”思い”もこの作品で楽しめます。
天化というアイデアはとても良いのですが、映像化は難しいかもしれません。
そして作るなら、派手な映像演出ができるように、予算がたっぷりある映画でやってもらいたいですね。
もっともっとメジャーになって書店で平積みされるようになればなあと思ってしまいます。
