悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

天化JK ヤマダマコト 天化シリーズ本編の番外編?

ヤマダマコトさんはAmazon Kindleにおけるセルフ・パブリッシングの世界では結構有名なんではないかと思います。
前々から読もうと思いつつ、放置でしたが、この度通勤などで読みました。

本編はこれまでに読了済み。
ラノベのようですが、しっかりとしたストーリーと展開にワクワクしながら読めます。

 

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いつものごとく順番を間違えて読んだ3部作の3作目。

 

 

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最後に読んだのがこの作品。

 

この本の目次

プロローグ

第一章 彼女の秘密

第二章 私と彼氏

第三章 大人のオンナ

第四章 情報屋

第五章 彼女の秘密(その2)

第六章 父と能面

断章1

第八章 突入

第九章 裏のウラ

断章2

第十章 奇襲

第十一章 天化の本質

第十二章 彼の秘密

エピローグ

あとがき

登場人物

波多野美咲
阿賀北高校2年生。
両親は「歌唱館」というカラオケ居酒屋を営む。
幼い頃から歌のレッスンを受け、のど自慢にも多く出場。
プロとしてやっていく自身もないまま、大学進学を目指す女子高生。
音感に優れ、声帯模写、いわゆるものまねも得意なようです。


卜部綾乃
この物語の主人公。
阿賀北高校2年生。
天朝流天化師の家に生まれた卜部兄弟の長女。
容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群な完璧な女性。
更には天化の才能も持ち合わせています。


米山未来
阿賀北高校に取材に来ていた新潟リークスという雑誌の記者。
追っているネタは薬物疑惑
スラリとした美人で、愛車は赤いワーゲン・ビートル。

月田京四郎
合唱部の3年生。
中学時代までは野球に打ち込むスポーツマンでした。
岡山の大学の音楽科の推薦入学を控えています。
綾乃の彼氏。

卜部コガネ
とても可愛らしい綾乃の妹。
オッドアイのしっかり者で、とても努力家。

卜部航
綾乃の幼い弟。
卜部家の末っ子でプラモデルが好き。

卜部英司
綾乃たちの父親。
体を悪くし、天化師としては綾乃たちに任せようとしている。
体調が悪いため、ウラベ化粧品店の店番もほとんど娘たちにまかせています。いた


森田康之
地元一心会のヤクザ。
天化師との折衝に当たっていましたが、5年前に関係が断絶しました。
そのため、組の中での立場が悪くなり、焦りを感じています。

三浦圭吾
薬物の取引現場にいたとても足の速い少年。
元野球に打ち込んでおり、月田とは同じチームで活躍していました。

 

内容

カラオケ居酒屋の娘の波多野美咲は偶然、薬物の取引現場を目撃します。
彼女の口封じをしようと不良たちが彼女を追い詰めたとき、一人の少女がさっそうと現れ、あっという間に不良たちを叩きのめします。
そんなスーパーヒーローのような女性が同じ阿賀北高校に通う卜部綾乃でした。
幼い頃から両親の夢として歌のレッスンを受け、数々ののど自慢大会に出場していた美咲でしたが、今は自信喪失。
輝く綾乃を見てとても憧れる気持ちを持ちます。
綾乃は完璧な女性ですが、そういう女性にありがちなお高く止まったところがなく、美咲もすぐに彼女と仲良くなります。
綾乃はもともとこの薬物事件にかなり興味があるのでした。
綾乃は天朝流天化の当主である英司の代理を任されるほどの技量を持っています。
綾乃が薬物事件を追う理由は、彼氏の推薦入学に影響があってはいけないということもあったのでした。
綾乃の彼氏は合唱部の月田京四郎。
中学までは相当野球に打ち込んできたスポーツマンです。
やがて取材に来た地元雑誌の記者米山未来とも仲良くなり、親友の美咲とともに3人でこの事件を独自に追いかけていきます。
そして三浦圭吾という少年がこの薬物の取引に関わっていたことを知ります。
三浦圭吾と月田京四郎は中学時代の野球仲間でしたが、目を怪我したために野球を諦め、こんな闇の世界にオチてしまったようなのです。
この事件には地元のヤクザ一心会が関わっているのでした。

感想

本編とは違いますが、相変わらず「天化」という特殊能力で気持ち良いほど悪党どもを叩きのめすシーンは痛快です。
これまでの作品は表紙を見てもわかるように、割とシリアス。
それが今回の表紙はなんとも恥ずかしいですね。
まあ、実際に文庫本というわけではなく電子書籍ですから関係ないのですが。
ともあれ、この表紙通り、現役女子高生ふたり組がこの事件で活躍します。
とにかく本編でも優秀さを見せつけていた綾乃姉さん。
女子校時代はいかに?というのがこれまでの読者の注目の点でしょう。
やはり女子校時代からモノが違います。
彼女はまさにマーベル作品のスーパーヒロインのようです。
まさに小説の中から飛び出したスーパーヒロインです。
本編では航が主人公で、まだまだ未熟。
作品を追うごとに体とともに成長し、合気道の腕もあって圧倒的な戦闘力を身に着けていきますが、そんな航にあっても綾乃姉は別格。
頭の出来も違うし、スマートなんですね。
見た目も考え方も行動も。
もう格好良すぎる女性で、この物語でも波多野美咲が綾乃と米山未来がつるんでいることに嫉妬するほどなんですね。
シリーズのファンはおそらくこの作品も読んでいるでしょう。
初めて読む方は、やはり本編からのほうがいいような気がします。
面白いのですが、それはこれまでの流れを知っているからであり、やっぱり「金色天化」を読んでからのほうがいいと思うのですね。

それとちょっとネガティブな点としては、月田の推薦入学に影響が出るからという理由で事件を追跡し始めたというのがあまりにも動機としては弱いと思います。
そもそも男にのめり込むタイプでもないし、そこまで月田命というふうには見えないですしね。
また一心会とのからみもせっかくの舞台に対して、あまり必要なかったかな?というほどの軽い感じでした。
材料を用意したけど、ちょっとそこが物足りなかったかなと言う印象です。

 

とはいえ、面白かったので、オススメか?と言われれば、もちろんオススメです。

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