悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

優しい音楽 瀬尾まいこ

瀬尾まいこさんの本を妻がブックオフで買ってきました。
そして読んでから、「読む~?」と私に薦めてきます。
その前に読んだ「強運の持ち主」も結構面白かったので、割とハマっているみたいです。

 

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目次と登場人物

優しい音楽
千波 突如近づいてきた不思議な美少女
タケル 普通のサラリーマン
千波の両親 ごくありふれた家庭の両親
誠 千波のお兄さん



タイムラグ
深雪 都合のいい女
平太 深雪と不倫関係にある妻子持ち男
佐菜 平太の愛娘
おじいちゃん 平太の父親

 

がらくた効果
章太郎 普通の男性
はな子 章太郎と同棲している何でも拾ってくる女性
佐々木さん はな子が公園で拾ってきたホームレス

 

あらすじ

優しい音楽

タケルの彼女の千波はとても可愛らしいのですが、いつまで経っても両親に自分を紹介してくれません。
それどころか家まで送って行っても中に入れてくれることはなかったのです。
彼女との出会いも普通ではありませんでした。
タケルの前に現れたのは、とても感じの良い美少女。
しかしタケルをじっと見つめているのです。
ちょっと不気味な感じがしていましたが、来る日も来る日も彼女はタケルを待っているようでした。
駅で会話もするようになりましたが、不思議な関係。
そんな彼女に対して、タケルは好意をもっています。
交際を申し込み、付き合うことになりました。

 

タイムラグ

平太はお調子者で頼み事をするのが巧い男性。
そんな平太には妻子がいるのを知ってしまいますが、別れることはできません。
深雪はまさに都合のいい女そのものです。
それがあろうことか、平太は、かまってあげていない妻のために旅行に行くので、一人娘を預かって欲しいと告げるのです。
理不尽な状況でしたが、結局断りきれず、不倫の相手の子供を預かることになりました。
気乗りしないものの、やってきたのはきちんと躾けられた佐菜ちゃんというしっかりした女の子でした。

 

ラクタ効果

章太郎と同棲中のはな子はちょっと変わっているというか、いつも何やら拾ってきます。
それが以外に役に立つこともあるので、特に問題もなかったのですが、ある日、はな子が拾ってきたのは、佐々木さんというホームレスの年配男性でした。
全くホームレスっぽくない、生活力のなさそうな佐々木さんは、元は大学の教員でしたが、運悪く教員を辞めることになり、同時に妻にも見限られてしまいます。
お金も妻にすべてかせっきりだったので、身一つのホームレスとなったのでした。
同棲中の2人の家に「拾われた」大変上品なホームレス。
一体どうなることやら。

 

感想

これが瀬尾まいこワールドというのでしょうか。
どこにでもあるような恋愛真っ只中のカップル、不倫関係継続中のカップル、同棲中のカップルという3つのカップルの話がまとめられた短編小説です。
どのストーリーともに繋がりはありませんが、どことなく似ている人物のような気もします。
共通項は、頼りなさげですが、優しくて思いやりのある男性。
可愛くどこかちょっと構いたくなるような女性。
なんだか読んでいてもほっこりするカップル。
こんなカップルが3組登場します。

やはりタイトルになっている「優しい音楽」が秀逸ですかね。
これはドラマになったそうですが、見る価値はありそうです。
ジーンとくるエンディングでしたね。
あんな美少女にストーカー?されるタケル君もなかなかラッキーな青年ですよね。

「タイムラグ」はあまり共感できないという印象。
やっぱり不倫をこんなふうに美化するのはどうなんだ?
不倫相手にここまで尽くしてあげられる深雪は心の器が大きいんだろうと思いますが、いや、やっぱり良くないと思いますね。
あまり不倫を良いイメージで終わらせてほしくないなあと思いますね。
最近でいうと不倫は広末涼子さんですよね。
不倫ほど燃え上がるなんてことを言いますが、そういうものなんでしょうかね。
ちなみにこの物語の深雪さんは広末さんとはぜんぜん違うタイプです。
平太の伴侶のことを佐菜ちゃんという幼い子供を通して知ることができ、応援する側に回ってしまうんですね。
男前すぎる性格ですよね。

 

「がらくた効果」の彼女とも同棲中であるものの、私はいくら上品とはいえ、ホームレスを連れてきて一緒に住めないなあと思いますね。
拾ってくる彼女も彼女ですが、OKする彼氏も彼氏です。
まあ、現実にありえないような話を差もありそうな感じ、登場人物がものすごく平凡で、柔らかい人物を登場させることによって、この物語を成り立たせているんだろうなあと思いました。
うまいもんですね、作家さんって。


一つの短編小説は文庫本でだいたい5~70ページ程度ですので、サクッと読めちゃいます。
面白かったですよね。

 

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