通勤で利用しているKindle Paperwhiteです。
こういうガジェットって、購入したときは嬉しくて使うけれど、しばらくすると使わないってことも多いのですが、このKindle Paperwhiteは逆に、購入した直後よりもむしろ後からのほうが使う頻度が上がってきたかなという気がします。
そんなKindleで最近読んだ本は、
根本聡一郎さんの「脱水少女」。
苫米地英人さんの「税金洗脳が解ければあなたは必ず成功する」、「百年後の日本人」。
笹本稜平さんの「公安狼」。
脱水少女は、東北にある田舎町を舞台にした青春SF小説です。
ライトノベルというジャンルになるのかな?という気もしますが、「今週のお題」が「古今東西の『SF』を語りませんか?」なので、この小説を取り上げることにしたいと思います。
根本聡一郎さん
1990年生まれの作家ですね。
いくつか作品を読んでみましたが、世代がぜんぜん違うので感覚なんかもぜんぜん違うんだろうなと思いながら、楽しませてもらっています。
はじめて読んだ作品が「ウィザードグラス」でした。
その次に読んだのが「プロパガンダゲーム」で、その後「人財島」も読みました。
どの作品もSFといえばSFにもなりうるジャンルだと思います。
代表作は「プロパガンダゲーム」ということになるんだと思いますが、いずれの作品も面白かったですよね。
あらすじ
目次
- 遭遇
- 蒸発
- 予兆
- 老人と鹿
- ウラシマ効果
- 噂
- 現在・過去・未来
- 「安井瑠奈」
- 言伝
- 記憶と記録
- 秘密基地
- 指導
- 再来
- 警告
- 幼馴染
- 夜明け前
- その日
- それから
「み、みず」という言葉を残して倒れ込む少女。
その少女に自販機で買った水を与えた主人公の樋口庸介でした。
少女は安井瑠奈と名乗ります。
病院や警察へ連れて行こうという提案を拒否する少女。
水のある場所に連れて行ってほしいということで、少女をおんぶして川へと生きます。
ペットボトルの水を一気飲みしたのでもう一本買ってくることにしました。
その間にその少女は制服を残してこつ然と消えてしまいます。
見知らぬ女性おんぶしていたのをどこで目撃されていたのか、瞬く間に学校内での噂になった庸介。
庸介は幼なじみのはづきと、風変わりな友人石丸には安井瑠奈のことを打ち明けるのでした。
数学や物理は常に100点満点だが、歴史は常に0点という石丸は、「人魚かもしれない」とありえないことを言い出します。
この町には人魚伝説が伝わっており、何十年に1度は人魚が現れるというのです。
そして人魚が現れるときは不吉なこと、天才がが起きるという言い伝えが多いのでした。
そういう昔の話を聞かせてくれるのがセイウチじいさんと呼ばれるおじいさん。
昔からおじいさんで、かれが何歳になるのかは不明ですが、周りの人はセイウチじいさんのことを変人扱いしていますが、庸介は幼い頃からこのおじいさんの話を聞くのが好きだったのです。
疾走した謎の少女安井瑠奈とは何者なのか?
謎の少女を追うとともに、人魚伝説を辿っていくことで、様々なこの街の伝説を知ります。
そして庸介は安い瑠奈に再会し、この町に危機が訪れていることを知ります。
それは町の危機だけではなく、庸介の命にも関わることだったのです。
感想
幼馴染のはづきとその間に入ってきた安井瑠奈という謎の少女との三角関係?というラノベにありがちな内容ではありません。
この本はSFです。
安井瑠奈は人間ではありません。
そしてこの時代には存在していないはずなのです。
安井瑠奈は未来からやってきて、庸介にこの町の危機を知らせるとともに、最も大切な使命がありました。
それは彼女をこの世に送り込んだ主の依頼。
庸介を死なせないことなのです。
淡い青春の淡い恋心というものもしっかりと伝わるのですが、あからさまな恋愛物語では全然ありません。
しかし、そこまでして助けたかった気持ちが痛いほど伝わってきます。
あらすじや感想でそういった点を伝えたいところですが、ネタバレになるとこの本の面白さが半減してしまうでしょう。
興味のある方はぜひお読みくださいね。