悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

大学生の頃、劇場に見に行った映画です。
なにせ4時間近くにも及ぶ長い映画で、なかなか見る機会がありません。
劇場公開後もレンタルビデオで見たりもしました。

マカロニ・ウエスタンの巨匠セルジオ・レオーネ監督の作品。
マカロニ・ウエスタンは興行的にものすごく儲かったのですが、この映画は制作費と比べると成功したとは言い難い映画です。
そしてものすごい長い映画だったので、公開当時かなり短く切り刻まれたため、映画評論家たちからも酷評を受けました。
その後、レオーネ監督は次なる映画の製作に入っていましたが、途中で亡くなってしまいましたので、この映画が遺作となっています。

レオーネ監督はイタリア映画がだめになってきた頃から頭角を表してきた人です。
イタリア映画は大作がコケまくっていたときです。
その代表がエリザベス・テーラー主演の「クレオパトラ」です。
当時としてはとんでもなくお金をかけた映画、配給会社の20世紀FOXの経営が傾いたと言われています。
そんな時代に、お金をかけずに収益を上げる事ができたマカロニ・ウエスタンによって、セルジオ・レオーネ監督は一躍有名な監督となっていきます。
1964年の「荒野の用心棒」は私も大好きない映画で、これまで何度見たかわかりません。
原作は有名な黒澤明監督の「用心棒」であることは有名です。
それを強引に西部劇にしたのですが、ピッタリとハマったんですね。

さてレオーネ監督の話はここまでにしておいて、この映画の概要です。

 

 

概要

監督 セルジオ・レオーネ

脚本 セルジオ・レオーネ

音楽 エンニオ・モリコーネ

上映時間 205分(日本公開時)
     144分(アメリカ公開時)

製作国 アメリ

製作費 20,000,000ドル

興行収入 5,321,500ドル(北米)

キャスト

ヌードルスロバート・デ・ニーロ

マックス(ジェームズ・ウッズ

パッツィ(ジェームズ・ヘイデン)

コックアイ(ウィリアム・フォーサイス

デボラ(エリザベス・マクガバン

ファット・モー(ラリー・ラップ)

 

あらすじ

ニューヨークの下町に住むヌードルスは、貧しさ故に地元の仲間を連れて、良からぬことをする悪童でした。
そんなヌードルスのもとにブロンクスから引っ越してきたのがマックス。
やりてのマックスと意気投合し、二人を中心にギャングとして歩み始めます。

ヌードルスはバーの息子であるファット・モーとも仲が良かったのですが、モーの妹のデボラに首ったけでした。
デボラもヌードルスに興味が無いわけではないのですが、彼女はもっと上の世界を目指していたのです。

この地元ではバグジーというギャングが仕切っており、バグジーから独立をしようとする若いギャングの彼らを痛めつけるのでした。
それでもへこたれず、彼らは知恵と勇気でのし上がろうとするのです。
ところがバグジーは徹底的に彼らを叩こうとします。
そして一番年下のドミニクが死んでしまいます。
怒りに火がついたヌードルスはナイフでバグジーをめった刺しにします。
ヌードルスは警官に捕まり、収監されます。

やがてヌードルスは刑期を終えて出所。
マックスたち昔の仲間達はすっかり成長し、ビジネスも板について来ました。
ファット・モーの店も禁酒法によって、闇酒場として儲かる商売となっていました。
出所後のヌードルスを迎え入れます。

彼らは大物ギャングの仕事もこなし、そして労働組合の大物とも関係を持つことに成功。
ギャングのビジネスは成功していきます。
ヌードルスは幼い頃から好意を寄せていたデボラに豪華なディナーを催します。
デボラは、女優として確かな成功への道を歩み始めていました。
デボラは拘束しようとするヌードルスを拒否するのです。


やがて、禁酒法の時代が終わろうとしています。
その後のビジネスについてマックスとヌードルスは揉めるのです。
マックスは夢だったFRB連邦準備銀行)への銀行強盗を提案します。
無謀な夢を反対するヌードルス
マックスの愛人となっていたキャロルからもマックスを止めてほしいと言われ、ヌードルスは友人を裏切るのでした。


感想

とにかく長い映画です。
そして時間が過去から現在に描かれるのではなく、冒頭のシーンから過去のシーンへ。
そしてまた現在のシーンと前後するところがあります。
制作側があえて行っているのですが、そのあたりが分かりづらく、長い映画でもすぐには理解できませんでした。
日本では205分の映画でしたが、北米公開のときは144分と1時間以上も短いわけで、強引にカットされまくった映画で不評を買ったのですね。
その後、どんどん未公開シーンなどを加えていって、評価がどんどん上がったという不思議な映画です。
長い映画は嫌われるのですが、この映画に限って言えば、短くカットしてろくなことがなかったといえます。
興行的には大失敗でしょう。
そして巨匠も疲れ果てたのか、寿命が尽きてしまったのかこの作品の後に亡くなってしまいました。

ロバート・デ・ニーロの映画ではありますが、じっくりとお金をかけて作った大作で見応えがあります。
ちょっと謎めいていて、冒頭のシーンとラストのシーンがつながるのですが、解釈は任せるということなんでしょうかね。

ロバート・デ・ニーロジェームズ・ウッズもいいのですが、少年期のシーンもいいのです。
子役たちもうまい具合に選んでいると思いますね。
ヌードルス、マックスの少年時代もいいのですが、パッツィ、コックアイや幼いドミニク、そしてバーの息子のファット・モーなんかも良い雰囲気でした。
しかし何よりも良かったのはデボラの幼少期。
演じているのはジェニファー・コネリー
この作品がデビュー作で、キラリと光るものを持っていましたね。
まだ子供なのですが、美少女っぷりが半端なく、「アマポーラ」の曲の合わせてバレエのレッスンをしている姿は美しいです。
彼女を見ようとトイレののぞき穴から彼女を見つめるヌードルスが印象的でした。
そんなジェニファー・コネリーも50歳ですね。
トップガン・マーヴェリックではトム・クルーズの相手役のペニーを演じていましたね。

 

こんな妖精のような少女に恋心を抱く不良少年がヌードルスです。

 

大人になったデボラ

 

 

ギャング仲間
左から、コックアイ、パッツィ、マックス、ヌードルス

 

また音楽もたまらないですね。
うら悲しい感じが出ています。


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本当に長い映画ですが、じっくりと腰を据えてみたほうがいいです。
ぶつ切りで見ると多分つまらないだろうなあと思うのです。

 

 

 

 

 

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