悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

神様に一番近い動物 人生を変える7つの物語 水野敬也

いつものように通勤電車で読んだ本です。
やはり水野敬也さんの本は面白さの中にどこか哲学的なところがあるのです。
最上段から、こうだ!ああだ!というのではなく、考えさせるっていうんですかね。

やはり「夢をかなえるゾウ」シリーズが楽しいです。
このシリーズは1~3まで読みました。(Kindle Unlimitdで)

 

tails-of-devil.hatenablog.com

3作目までは読みましたが、ブログには書いていませんね。
ブラックガネーシャの話なんですけどね。



そして「運命の恋をかなえるスタンダール」。
これもめちゃくちゃ面白かったですね。
そのままドラマにしたら楽しいだろうなあと思います。
そう思っていたら、やっぱり普通にドラマ化されていたみたいですね。

 


 

 

目次

三匹の子ぶたなう

お金持ちのすすめ

宇宙五輪

役立たずのスター

スパイダー刑事 ~カブトムシ殺虫事件~

愛沢

神様に一番近い動物

 

内容

「三匹の子ぶたなう」
「三匹の子ぶた」の話って誰もが知っている話ですよね。
その三匹の子ぶたの子孫たちが中心となる話。
本来の話ではレンガの家を作った3番目の子ぶたが兄たちを救う話ですが、この物語では、最もみっともないとされた「わらの家」を作った子ぶたが祖先の汚名を晴らす物語。

「お金持ちのすすめ」に登場するのは一万円札の肖像の福沢諭吉
お金が集まるのには理由があるのです。

「宇宙五輪」はSFです。
様々な惑星代表の選手が競い合うのですが、最下位の星はすべてを奪われるという大変な大会なのです。
次の大会では地球が下馬評では最下位。
そこをなんとかしようと人間はこれまで虐げてきた動物たちに協力を持ちかけますが…。

 

「役立たずのスター」
主人公は売れない女性ミュージシャンでした。
流れ星に願い事をすると叶うといいます。
彼女は流れ星に願うと、スターが落ちてきたのです。
しかし彼には願いを叶えるような能力はありませんでした。

 

「スパイダー刑事」
くすのきの甘い樹木を独り占めしていたカブトムシが殺される事件が起きました。
犯人の捜索には敏腕の巣配田刑事がやってきます。
犯人はカブトムシに恨みを持つ者でした。

 

「愛沢」
蕎麦愛沢が近所にオープンし、その圧倒的なクオリティで徐々に追い詰められる老舗の蕎麦屋
そしてプライドを捨てて、愛沢に弟子入りすることになります。
果たして愛沢の正体は?

 

「神様に一番近い動物」
人間に飼われている牛たちの話です。
子牛のマギーが彼らの世界で言う神の世界へ行くことになります。
彼は疑問を感じ、脱走します。
そして知り合ったネズミに人間の社会を教えてもらうことになります。
結局、マギーは自ら神の国へ旅立つことを受け入れるのです。

感想

どの話にも深い意味が裏に隠されています。
心にしっかりと刺さる話もあれば、そうでもない話もありますが、最後の「神様に一番近い動物」のラストシーンは感涙モノです。
この最後の物語を読むだけでも値打ちがあるかも知れ前sん。
小さなお子様に読んであげるのも悪くない話です。
でもこの最後の話をしてあげると、多分泣き出してしまうでしょう。;

次に気に入った作品は「お金持ちのすすめ」ですね。
お札の福沢諭吉を使ってキャバクラで遊んだことから、こっぴどく叱られる主人公ですが、お札の福沢諭吉がお金の本質を語ってくれます。
「そもそも仕事とは他人のためになることをして、その対価としてお金をもらうことだろ?つまり「仕事」=「他人の欲求を満たすこと」だ。それなのに君はもらうお金のこと-つまり。自分の欲求を満たすことばかりを考えている。そんな人間が、他人の欲求を満たすために創意工夫したり、努力したりすることができるのかね?」

 

完璧な仕事を圧倒的な安さで提供する愛沢という蕎麦屋
愛沢の正体はAIだったというオチの「愛沢」という作品ですが、これもなかなか風刺の効いた話でした。
この物語に登場する愛沢=AIは無休で完璧に働き続けることができます。
彼のようなものがいろいろな業界に進出したら、これまで仕事をやっていた人たちは締め出されてしまうというブラックユーモアが詰まった話でしたね。

 

1話はそれほど長くありませんが、そこそこ読み応えがあります。
興味のある方は読んでみてはどうでしょうかね。

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