サブタイトルには2028年の世界を見抜くとなっています。
未来と言ってもそう遠くない先で、気がつけばその時代になっているのかもしれません。
岡田斗司夫さんの本で、私よりは少し年配の方。
高校は先輩に当たる方ですね。
もちろん世代が違いますので、全然知りませんが。
オタクの教祖みたいな扱いをされている人ですね。
過去にもいくつか本を読みました。
ちょっと変わったダイエット本ですね。
あなたを天才にするスマートノートというものも読んで、一時期手書きの1行日記というものを書いていたりもしました。
目次
序章 「未来格差」に備える
第1章 未来予測の3大法則
第2章 自分を「盛る」時代
第3章 AIがユーチューバーを淘汰する
第4章 アイドルは新時代の貴族になる
第5章 アマゾンが不動産へ進出
第6章 バーチャルとリアルの恋愛の協会が消える
第7章 AIロボットが家族の代わりに
第8章 人工知能が政治を変える
終章 未来の幸福論
内容
AIの進化によって、人間の仕事はどんどん奪われてしまうというのが著者の主張です。
AIが進化すればするほど、人間はどんどん無能になっていく、そしておろかな人間から順番に、賢い機会に仕事を奪われていくんです。
2010年代の世界は、どの国も自国第一主義になっていて、国際連合の理想なんてものはとうになくなっている。
主要国トップは、みんな「キャラ」が濃いヤツらばかり。
「全世界的な戦国時代」
①第一印象至上主義
②考えるより探す
③中間はいらない
ネット社会では同じような趣味、嗜好の人間ばかり集まってしまう→現在のネットはそれ以上。
①視覚情報が強く、容易なので、瞬時に判断できる
②考えて生み出す苦しみよりも、良さげなものを探して、それを使う。
③超メジャーな人たちは残るが、それまでそこそこ食えていた中間の人々の仕事は、素人(無料)に奪われる。
中途半端はいらないのは、人間関係も同じ。
リアルなカノジョ、カレシよりもバーチャルな方が良いという流れになる。
子どもたちの憧れのYouTuberはAIによって淘汰される。
ブログ=新聞
Twitter=ラジオ
YouTube=テレビ
既存の新聞、ラジオ、テレビは古いメディアで、個人には開放されていなかった。
しかし今や、ブログで個人が意見を表し、Twitterで今のトレンドをつぶやく、YouTubeでは見せたい映像を作って流す。
今や新聞、ラジオ、テレビは絶対に必要なものではなくなり、更に10年後にはもっとその影響力は低下する。
スマートスピーカー、自動翻訳、AIなどの進化により外国語の壁がなくなり、世界80億人の人たちとの競争になる。
一部の人を除き、YouTuberは激しい競争の世界での戦いとなる。
また人間YouTuberは、AI YouTuberに淘汰される。
過去のコンテンツに魅力がなくなるわけではないが、「今」を次々に出し続けることができるAIに勝てなくなる。
感想
今の時代を少し前の本で改めて知るにはちょうどよい本だと思いますね。
最新の情報アンテナを装備する人たちには物足りないかもしれませんが、だいぶん老朽化してきている私には、よくわかって読みやすい内容でした。
どうです?私の予想がかなり当たっているでしょ?という自画自賛っぽいところはありますが、これが書かれた時期を考えると概ねそのとおりですね。
ただ未来予測に関しては、岡田さんの希望的なところが入っているような気がします。
アイドルは貴族になる!などアイドルオタク的な岡田さんならではでしょう。
YouTuberのほとんどが消えてなくなると言うのは、現時点では想像ができませんが、いつまでもYouTubeで動画を上げている人たちがお金を稼げる状況が続くとは思えないのも確かです。
すでにその兆候は数年前からあったと思います。
YouTuberと言う言葉が新聞やテレビなどで注目された頃は、ブルーオーシャンでした。
誰もが動画を作り、それなりのものであったとしても、そこそこ稼げていたんだと思います。
今ももちろん稼いでいるトップユーチューバーたちは、動画をどんどんアップして、多くの視聴者に閲覧してもらうことによって、大金を得ています。
しかし新規参入者は、お金を得るまでの壁がとても高くなり、ほとんどが稼げない状況といわrています。
さらに、AIが進化して、ますます人間の言葉を理解せずとも、その傾向などを分析して、より多くの人に見てもらえるような動画を集めてきたり、それを作ったりすることは可能になってくるのかもしれません。
そうなると、圧倒的なクオリティ、圧倒的な更新頻度、極めてオタク的な、限定的なジャンルを狙ったチャンネルがAIによって登場してしまうと、人間のユーチューバーたちはとても参入できない世界となってしまうのではないでしょうか。
今後の世界がどうなるかは、なってみなければわかりませんが、すでに時代は変わってしまっており、過去の経験則などが通用しない時代になってきたことは、個人的にも肌感覚としてあります。
そんな中、貧富の差、格差社会は現実にあり、今後その流れは加速していく?どこかで破綻する?それはわかりません。
しかし、格差が生まれようとも、人間として生きていけるのなら、生き方そのものの考え方を変えれば、決して悲観的なことはない、と言うメッセージをこの本からは受け取れました。
少し前の本ではあるけれど、色々と切り口を変えて見ているところなどから、今後の時代の変化に対応するための参考となるかもしれません。