以前から息子が見たいと言っていましたが、この度ディズニープラスで見られるようになったので、一緒に視聴したものです。
タイトルは有名ですが、見たことはありません。
私が生まれるよりも前に作られた作品です。
あの初代ゴジラと同じ時代だったんですね。
1954年の作品です。
原作はフランスの作家ジュール・ヴェルヌ。
SF小説の巨匠というかSFというジャンルを生み出した人物とも言えますね。
初の娯楽SF映画という作品ともいわれる「月世界旅行」というサイレント映画が大変有名ですし、最近だと「センター・オブ・ジ・アース」という映画の原作となった「地底世界」などもありますね。
概要
監督 リチャード・フライシャー
原作 ジュール・ヴェルヌ
脚本 アール・フェルトン
製作 ウォルト・ディズニー
製作国 アメリカ合衆国
公開年 1954年
制作費 5,000,000ドル
興行収入 28,200,000ドル
キャスト
ネッド・ランド カーク・ダグラス
アロナックス ポール・ルーカス
ネモ館長 ジェームズ・メイソン
コンセイユ ピーター・ローレ
あらすじ
謎の怪物の出現により、多くの艦船が沈没するという事件が多発します。
そのため、船乗りが集まらず、港では船の出港が滞っている状態でした。
海洋学者のアロナックスは目的地へ行くことができずにいたところ、アメリカの役人のはワードが現れ、教授にこの怪物の調査を依頼します。
港ではお調子者の船乗りのネッドが、怪物騒ぎに乗じた騒ぎを起こし、逮捕されます。
アロナックス教授は助手のコンセイユとともに米軍の軍艦に乗り込みます。
そしてお調子者だが、腕の立つ船乗りでもあるネッドもこの船に乗り込みます。
米軍の軍艦に守られながらの調査は3ヶ月に及びますが、その調査にも関わらず、怪物は発見できませんでした。
調査を打ち切り、帰国を決意した艦長ですが、そのときに怪物の正体である潜水艦が現れ、軍艦を沈没させてしまいます。
アロナックス教授と助手コンセイユ、そして船乗りネッドは沈みゆく軍艦から脱出しますが、謎の怪物とされていた潜水艦の捕虜となります。
潜水艦の名前はノーチラス号。
その動力は謎に包まれ、これまでの技術を遥かに凌駕している素晴らしいテクノロジーでした。
ノーチラス号の性能は素晴らしく、設計、製作したネモ艦長が率いており、乗組員の統率も優れているのでした。
優れた技術を人類のために活かせと説得するアロネックスですが、ネモ艦長は人間不信に陥っており、この技術が軍事利用されることを恐れます。
アロナックス教授はネモ艦長の考えにも一定の理解を示し、また彼が持つテクノロジーに興味を示しますが、助手のコンセイユと船乗りネッドは潜水艦からの脱出を第一に考えています。
潜水艦の中で自給自足の生活を行っているノーチラス号の乗組員たち。
しかしノーチラス号は座礁し、しばらくは修理で動けなくなります。
ネッドたちは、艦内の資料から現在地を目処をつけ、ボトルに手紙を入れて救助を求めます。
ノーチラス号からの逃亡を図ったとされて、ネッドの処刑を決定するネモ艦長でした。
しかしその後、巨大なダイオウイカに襲われ、艦長は命を落としそうになります。
そこでネモ艦長を救い出したのがネッドでした。
ネッドは処刑を免れることができたのです。
ネッドが流した情報から場所が特定され、軍艦がたくさんノーチラス号のもとにやってきます。
ネモ艦長は、この技術を彼らに渡すまいと、基地を爆破しますが、そのときに軍隊によって瀕死の重傷を負うのです。
ネッドやアロナックス教授、コンセイユは沈みゆくノーチラス号から脱出を果たしますが、基地もろともノーチラス号は海へと消えていくのでした。
見どころなど
保存状態が良いのか、それとも現代の技術によってきれいに仕上げたのかわかりませんが、驚くべき品質を保った作品だと感じました。
ノーチラス号のデザインや水中でのシーンなど、当時としては素晴らしい作品だったと思います。
しかし、いかんせん1954年の作品です。
特撮のレベルも今の子供達を満足させるほどの出来ではありません。
また演技も当時の演技。
いうなればかなり大げさな演技ですね。
ミュージカル映画などがたくさん作られていた時代ですから、そういう演技が求められていた時代なのでしょう。
特撮もこの映画の最大の見せ場であるダイオウイカとノーチラス号の戦いも、おかしいです。
イカの動きが逆向きです。
足の方向似動いて潜水艦を捕まえるというのはおかしい気がします。
若き日のカーク・ダグラスが主演です。
「スパルタカス」
「OK牧場の決闘」
というあたりが代表作ですね。
マイケル・ダグラスの父といったほうが今の人にはわかるかもしれません。
マイケル・ダグラスは「アントマン」でのピム博士を演じていた俳優。
もしくは「ブラック・レイン」でNYからやってきた殺人課の刑事といったほうがわかるかもしれません。
特徴のあるアゴで、息子のマイケル・ダグラスもその特徴を受け継いでいますね。
こんなに昔の映画ですが、製作費は5,000,000ドルもかけています。
今のレートでこそ、5億円少々ということですが、当時のレート(1ドル=360円)と物価(大卒公務員初任給8700円)を考えると、ものすごくお金のかかった映画ということが言えます。
物価も違う現代でも日本映画の制作費は5億円を超えないものがかなりあると思います(というか大作と言われるもの以外はほとんどかなり低予算の映画です)。
製作費をかければ良いものができるとはいいませんが、当時から邦画と洋画では製作費が違いすぎて、別のものを作っているんではないかと思わざるを得ません。
さて原作のジュール・ヴェルヌですが、19世紀の作家です。
SFの父と言われているように、未来の科学の進歩を信じて描いた作品は、ところどころおかしい点はあるにせよ、着眼点がすごいです。
まさに慧眼ですよね。
小学校の頃、図書室に「ノーチラス号の謎」という本があって、夢中になって呼んでいる友人もいました。
私達の世代も夢中にさせる空想未来小説だったんですね。