見ようと思いながらも、ずっと見ていなかったアニメ映画です。
特にアニメファンというわけでもないですが、新海誠さんの作品で多くの人に注目された映画です。
リピーター続出で社会現象?とまでなった「君の名は。」。
あの映画もずっと長い間見ていなかったのですが、アニメを見ないと言っていた人でも、映画館に何度も足を運び、行くたびに新しい発見があって楽しめたなんて言っていました。
多分この映画もそうなのでしょうね。
もっと早く見たらよかったかな?と思いましたね。
「君の名は。」のときも、そう思ったりもしました。
実際は、本を読んでその裏にある真実を知って、そう思いましたね。
「君の名は。」は、もう6年以上前なんですね。
私の中ではまだ最近の映画というイメージがあります。
改めて時間の経過に対する感性が鈍ってきたなあ、と実感します。
さて、この物語は九州、宮崎県からスタートします。
そして山陽道を通ってではなく、一旦フェリーで愛媛県へ渡り、そこから明石海峡大橋を渡って神戸に。
神戸からは、東京に移動します。
そして震災のあった東北へ。
彼女はそこで過去の記憶を辿り、草太を救い出す物語です。
シンプルに言うとそうなのですが、私はタイトルの「すずめの戸締まり」というのを見て、「すずめ」は「雀」のことだと勝手に思っていました。
で雀が何を戸締まりするんだろう?という疑問がずっとあったわけですが、雀ではなく、「鈴芽」なんですね。
そうです、主人公の名前ですね。
主人公岩戸鈴芽、高校2年生のとても可愛らしく、エネルギーに溢れている女性です。
この映画は完全に彼女が主人公で、ヒーロー的な役割を果たしていきます。
白馬に乗った王子様が幽閉された城からヒロインを救い出す物語ではなく、彼女が囚われたイケメン王子を救い出す物語というのもいいですよね。
まあ、ファンタジーでもあり、謎だらけの物語ではあるんですが、物語が進むに連れ、主人公鈴芽の過去にも触れながら、彼女の育ての親でもある岩戸環との関係も明らかになっていきます。
雨が降って東北の道の駅で雨宿りしているときの、環と鈴芽の会話はなんともえげつなくて、辛かったですね。
今まで何重にもかぶせていたオブラートや梱包を一気に剥がして、本音をストレートにぶつけた?と言えなくもないですが、それだけに救いのない言葉でしたね。
お互いに。
本当はあのシーンにあったような言葉だけでなく、二人の心はもっと奥底で深く結びついていたんだと思います。
草太を救い出すという強い使命がなければ、鈴芽は環とあんな喧嘩にならないでしょう。
途中で宮崎に引き返すという選択はいくらでもあったのですから。
しかし、鈴芽には宗像草太というヒロイン(男だけど)を救い出す任務があるんです。
これを果たさんで、この映画が終われるわけがないですよね。
勇者殿となった鈴芽は、大切な人を救うために戦うのですね。
いいお話でしたね。