悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

アデライン 100年目の恋 ~不老不死は幸せなのか?

ブレイク・ライブリー主演のちょっとファンタジー要素の入った恋愛映画です。
Amazon Prime Videoで見ました。

概要

監督:リー・トランド・クルーガー

脚本:J・ミルズ・グッドロー他

公開:2015年アメリ

製作費:30,000,000ドル

興行収入:68,984,000ドル

キャスト

アデライン・ボウマン/ジェニー・ラーソン ブレイク・ライブリー

エリス・ジョーンズ ミキール・ハースマン

イリアム・ジョーンズ ハリソン・フォード

レミングプレスコット エレン・バースティン

 

あらすじ

アデライン・ボウマンは交通事故と落雷によって偶然老化しない体になってしまいます。
過去には愛し合った男性もいましたが、彼女は自身の特殊な体質を隠すために、ひたすら人目を避けるような生活をしてきました。
一人娘のフレミングが高校生になると、他の母親よりも圧倒的に若く、一緒にいられなくなります。
一人娘は普通に老人になっていくのですが、アデラインの姿は変わりません。
娘のフレミングは、美しいママには素敵な恋を望んでいるのですが、男性と深い関係になるのを恐れているのでした。
そんな中、名前もジェニー・ラーソンと名乗って働いていた図書館で、一人の青年と出会います。
彼はエリス・ジョーンズという若くしてビジネスで成功を収めた人物。
お互いに惹かれ合うのですが、真実を打ち明けられないままでした。
エリスは、ジェニーを両親に紹介するために、実家へ彼女を伴います。
そこで出会ったのがエリスの父親のウイリアムス。
イリアムスは、かつて愛していた女性と瓜二つの彼女を見て思わず「アデライン」と声をかけてしまいます。
ジェニーと名乗っているため、アデラインは数年前に他界した母親だと告げますが、結局ウイリアムスには真実を知られてしまうのでした。
ジェニーはエリスのもとから逃げますが、その途中で考えを改めるのです。
しかし、事故に会い、意識を失ってしまいます。
ジェニーの失踪に慌てて追いかけるエリスは事故にあったジェニーを見つけます。
心肺停止状態でしたが、救急治療により彼女は蘇生。
エリスに真実を打ち明け、自分はアデラインであることを告げ、更に娘のフレミングも紹介します。
彼女は最初の事故で不老の体になりましたが、2度めの事故で老化する体に戻ります。

 

感想

グリーンマイルという映画で終盤、主人公のポールが不老不死の体を得ましたが、そういう状態からスタートする物語ですね。
「永遠に美しく」というコメディ映画がありましたが、そういう映画とは違ってしっとりとロマンチックに描かれています。
アデライン役のブレイク・ライブリーは今や売れっ子女優で、同じく売れっ子俳優のライアン・レイノルズの奥様です。
この作品が2015年ですから8年前。
この映画では29歳で老化が止まっている役柄ですが、当時の年齢は役柄よりも若いくらいで、大変美しい姿を見せています。
この映画の設定柄、昔の衣装、ファッションも出てきます。
背が高くてスタイル抜群の彼女ですから、昔のファッションやヘアスタイルでも現代のファッションでもとても似合っています。
ブレイク・ライブリーといえば、「ロスト・バケーション」という映画でサメとの恐怖を描いた作品ですが、主人公も含めて映像も美しい映画でしたね。

 

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一方の相手役エリスを演じている俳優もどこかで見たことがあると思っていたら、「ざ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の長男スティーブンを演じていた俳優です。
優しげで知的な雰囲気をまとっている俳優さんですね。

 

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大物俳優としては、ハリソン・フォードが彼氏の父親を演じています。
ところがこの物語は父親との悲しいロマンスを乗り越えるというのも一つのテーマになっています。
イギリスに旅行中に偶然知り合った二人はすぐに気が合います。
イリアムはアドラインに夢中になり、プロポーズまで考えていたのですが、自分の秘密を開かせないアデラインは彼の気持ちを知りながら、自分の気持ちを偽って逃げてしまうのですね。
その後、ウイリアムは現在の奥様であるキャシーと知り合い、幸せな夫婦生活40周年を迎える時にアデラインが目の前に現れたのですね。
ただならぬ夫の姿に「嫉妬」するキャシーと取り繕うウイリアムの姿もなんだか微笑ましいですね。

いつまでも美しく、若くいたいというのは世の女性に限らず、人間の底知れない欲望がもたらす永遠のテーマ。
不老不死を求めた過去の権力者は数知れずです。
もっと軽い感覚でも、化粧品や美容の世界では、アンチエージングという言葉もあるくらいですから。
ただ、愛する人と時間を共有できないというのは、考えてみればつらいことですね。
自分は変わらず、自分を長年に渡って知ってくれた人が先に亡くなる。
これは辛い。
逆なら大歓迎?という気もしなくもないですが、それはそれで惨めな気持ちになるかもしれません。
パートナーを失った後も、いつまでも老けない自分を隠すために、長い付き合いは避ける。
人間は一人では生きていけない社会的な動物です。
そんな中で他人との接触を避けて長きにわたって生き続けると言うのは、味気ない人生となってしまうでしょう。
老化せず、無限に与えられた時間があれば、人として様々な知識や技術を習得することはできるかもしれません。
しかし、他者との接点があり、評価しあったり、共感することがなければ、
生きている実感がなく、生きていく意味をなかなか見出しにくいのかもしれないと感じました。

 

 

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