悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

映画 野性の証明

 

人間の証明」に続き、この「野性の証明」も角川映画としてとても有名なので、見てみました。
なんと言って角川映画の大スターとなった薬師丸ひろ子さんのデビュー作なんですね。
私は取り立ててファンでもないのですが、同い年ということもあり、クラスメートには熱烈なファンが多くいましたね。



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邦画ファンの人には悪いですが、この映画はちょっとショックでしたね。
この前の作品、「人間の証明」もキャストはすごくて、内容もそこそこだったのですが、やはり2時間枠に収めようとして無理があった気がします。
人間の証明」が少々無理があった、という程度ですが、「野性の証明」は脚本がいい加減すぎるでしょう。
「読んでから見るか、見てから読むか」というコピーを考えた人はすごいと思いますが、この映画を見てからだと本は読まなかったと思います。

 

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映画と比べて、本はとても良かったです。
この映画と比べてしまうのは原作に対して失礼すぎるでしょう。
それだけ映画の出来栄えがひどすぎると思うのですね。
映画も前半部分は保険金殺人や東北の地方を牛耳る大場はヤクザも警察も使ってやりたい放題というのをよく描いています。
後半は本当にひどいです。

高倉健さんは言うことがないです。
そこにいるだけで絵になる人ですし、全てが格好いいです。
脇を固める俳優陣もいい仕事をしています。
地元のヤクザ井崎を演じていた梅宮辰夫さんや中戸組長を演じていた成田三樹夫さん。
羽代市を支配する大ボス大場を演じていて三國連太郎さんなんかも貫禄たっぷりでしたね。
その息子役には若き日の舘ひろしさん。石原軍団に入る前ですね。
キャストは本当に贅沢に使っています。
田中邦衛さんなんかもワンシーンですし、冒頭のシーンで赤軍派を演じていた寺田農さんも本当に一瞬でした。
本当に贅沢なキャスティングです。

しかしドンパチと言うか、戦車というか、シナリオが無茶苦茶すぎます。
これが原作だったら、森村誠一さんは阿呆ですね。
ラノベでももう少し現実を考えて描くでしょう。
極秘に作られた特殊部隊で、その秘密を知っている味沢を抹殺するという目的であれば、それこそ特殊部隊が暗躍して殺すまでです。
秘密がバレるとまずいわけですので、こっそり殺さないといけないのに、戦車やらヘリコプターやら飛ばして戦争のようなことをする。
いくら優秀な元特殊部隊の兵士とは言え、今は民間にいる、ただの保険勧誘員に過ぎない丸腰の味沢を特殊訓練を受けた暗殺者がコッソリ殺せないはずはなく、それを内戦状態さながらの、戦車やヘリコプターを動員しての大掛かりな抹殺って、おかしすぎます。
しかも無実の何も関係のない人が巻き込まれて何人死んだのでしょうか。
角川映画でそういう絵を取りたかったのかもしれませんが、意味がありません。
あまりにもひどい脚本でしらけてしまいました。


俳優陣はすごいですね。
贅沢にも大物俳優がゴロゴロと出演しています。
戦車やヘリコプターも円谷映画のように模型ではなく、現在のようにCGなんてものがありませんから、やはり本物を動かしているわけです。
お金は本当にかかっている映画だと思うのですね。
ただ、それだけになんでこんなチープな印象しか残らない作品になったのでしょうかね。

40年以上も前の映画に今更どう文句をつけても仕方がありません。
和製ランボーとか評価している人もいますが、ランボーに失礼でしょうね。
この映画が1978年で4年後にランボーが公開されていますが、ランボーは今見ても通用するクオリティです。
お金をかけたら良いものが作れるというわけではないですね。
この後、角川映画は大作で失敗をして、アイドル路線へと変更していきます。
日本映画界に旋風を起こした角川映画でしたが、この映画はちょっといただけません。
多くの人が「騙された」と言って、角川映画を批判するのがわかる気がします。


さて、この後スターになっていく薬師丸ひろ子さん。
14歳くらいですかね。
あどけない少女です。
眼力がすごいという方もいますが、取り立てて美少女とは思わなかったですし、今見ても普通ですよね。
しかし彼女はこの後もヒット作をバンバン出します。
というか、彼女を見るのが目当てで、映画自体は相当ひどいと言われています。
なので、映画ファンの割には、本当に薬師丸ひろ子さんの映画はあまり見ていないのですね。
ひどいという噂だけで、避けているというか。
ファンでもないというのもあります。
この映画は高倉健さんと薬師丸ひろ子さんの映画と言うのは確かですね。
シナリオと言うか、脚本は終盤ひどすぎますけど、お二人の存在感は確かに感じられる映画でしたね。


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