悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

人材を見極める目

先日、新人の面接を行いました。
一日に3人の面接を行うというのはちょっと異例です。
それほど大きくないコールセンターにあって、急遽人員補充の必要性があったからですね。
3人のうち、誰がマシ?という内容でした。
即採用!という人材はいませんでした。
どの人材もそれなりの年齢で、コールセンターでの経験もある方でしたが、一癖も二癖もあるような人です。

コールセンター経験というものがあれば、研修でも簡単に済ませて即戦力!と思いがちですが、実はなかなかそうは行かないのです。

職場、現場には独特のルールがあり、それらを覚えるのが並大抵のことではありません。
人間関係の構築も非常に大事で、周りの力もしっかり利用できる人(人柄)でないと難しいと思います。
知識があり、顧客対応の基礎ができている、そんな優れた人材でも、周りの人の協力がないと何もできません。
SVなどの相談相手に嫌われてしまうような人柄ではまず無理です。
SVのほうが辛抱すれば良いという意見もありますが、そもそもそう考える時点でおかしいのです。
圧倒的な仕事量を抱えながら、相談を受けるポジションです。
やはりそこは尊重して当たり前でしょう。
できる人ほどそういうことはわかっているのですが、ちょっとできるようになると尊大になり、SVの指示を軽く流してしまう人になってしまいます。
結局のところ、センターとしてのコントロールができない人材は、個人的な資質が優れていてもチームとして機能しません。
コールセンターをいくつも渡り歩いた「一匹狼」的な人材は確かにいますが、そういう人材を求めてはいないのです。

コールセンターは女性の多い職場です。
女性同士のいがみ合いというものも強く、もううんざりすることもあります。
誰と一緒の日は避けてほしいとか、あのSVには相談したくないとか。
センターとしては、SVのほうが大事ですから、結局そういうわがままを言う人はやめていくしかなくなります。
研修を重ね、ようやく使えるようになったと思えば、生意気になっていって、辞めてしまう。
この流れをなんとかしたいと思うのですが、厄介なものです。

我が家の家業でもわずかな従業員がいました。
その中でも、あいつは要らないとか、あいつと一緒に仕事がしたくないとか、よく揉めていました。
強面の「おやっさん」である父だから、ある意味恐怖政治的なところもありました。
今ならブラック企業と言われても仕方がないでしょうが、なんの資格も学歴もない人、私なんぞのような「真面目」な学生生活を送ってきた人間から見れば、「不良」としか思えなかった人たち、をマトモな人間として仕事をさせていくと言うのは思っているよりも遥かに気苦労が多く、いろんなトラブルも有りました。
父親は幼い頃に父親(私の祖父)を失い、学校は中学止まり。
できることは己の肉体を働かせることでした。
負けん気が強く、喧嘩っ早いところもあった若い頃の父ですが、「しっかりもの」に自然と鍛え上げられたのでしょう。
そういう人間だからこそ、家業をやってこれたんだろうと思います。
若い不良連中に「アメとムチ」をうまく使い分けて、賢く使ってきたということだと思います。

さて、私も家業の頃は現場も入りつつ、人材の面談にも立ち会っていました。
若くしてクソ生意気な倅と見られていたのかもしれませんが、人を見て、採用すると言うのはかなりリスクもあります。
まともに使えるかどうかもわからない人間に給料を払うわけですから。
入れてみて、使ってみて、ダメなら辞めてもらうということが、結構スピーディだった気がします。
いい時代だったのかもしれません。
今の時代、人をやめさせるのも色々と大変ですしね。

 

さて今の職場、ブルーカラーの職場ではありません。
とは言え、ホワイトカラーの中では末端に属するような部署でしょう。
そんな職場でも、マネージャーを始め、SVたちは皆誇りを持って仕事にあたっています。
もちろんお互いに、愚痴をこぼし合いながら、励まし合いながら、時にはぶつかったりもしますが。
しかし、人はやめていく。
こちらから切るということは基本的に難しいので、有期契約が切れた時に更新しない旨を伝えるのみです。
実質クビですけどね。
よほどひどい人以外はそういうことにはならないはずなのですが、最近は本当にひどい人もいますからね。
面接の時に、研修が終わってすぐに辞めてしまうのは困るので、長期に働いてくれる人材を求めると伝えているのですが、そんな話は聞いていないというように、研修期間中に辞めていく人が結構います。
これを私は研修泥棒と読んでいます。
研修中に辞めていくなら、さっさと辞めてほしいです。
数カ月間研修を受けて、さあこれからという時にあっさりと辞める。
研修期間中とは言え、賃金は発生しているわけで、まさにドロボーです。
賃金ドロボーはそれ以上にたちが悪いのは、貴重なベテランが研修のために労力を割いていることです。
ダブルでマイナスなんですね。
教育にあたっている人間(私も含む)のモチベーションも下がりまくります。
契約時に、なんとかならないのか?違約金は?なんて話も何度もあったのですが、結局は有耶無耶になっています。
現場サイドで人材を引っ張ってくると言うのは結局人材派遣会社が頼りなのですが、あてにならないです。
マッチングしてもしなくても紹介すればお金になるので、とりあえず人は連れてきてくれます。
僅かな時間の面接で、採用するか断るかを決めるのですが、断り続けると紹介してもらえず、とりあえず、一定の確率で採用に踏み切ります。
これが年々ひどい人ばかりになってきています。
要求ばかりが一人前で、研修中でも態度はベテランみたいな人とか。
それでも現場で独自に採用している人材はまだ、こちらサイドでお引取り願うなどもできますが、会社から現場に派遣されてきた人間などは、クビにもできないので、もっと大変だったりします。
優秀で使える人ならいいのですが、そうでもないですしね。

 

あー、いやだいやだ、また愚痴三昧になってしまったと反省です。

研修ドロボー、許すまじ!

明日も(もう日付変わっているね)頑張ります。

 

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