悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

クリスマスだけど、クレームの対応

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クリスマス・イブだな~

でも今年はコロナのためか、それほどクリスマスというのも盛り上がっていない印象。

そんな中で、身も心も削って献身的な活動を続けている看護師の方たちに対しては、感謝の気持しか無い。

そんな医療関係で働いている人たちに対して、心無い言葉を投げる人たち。

お・も・て・な・し」の国の日本の別の一面がこれだということか。

 

クリスマスで盛り上がっている人たちには申し訳ない気持ちだが、今日もクレーム関連の話題。

 

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コールセンターという職場

大手メーカーなどは商品をつくり、販売する。
そしてその商品が大量に消費者の手元に渡る。

その商品が満足していたら、コールセンターはほとんど不要。

しかし、使い方がわからない。
どういう商品なのか、詳しく教えてほしい。

あるいは、買った商品が壊れていた。
思っていた商品と違う。

様々な声が顧客から寄せられる。

それは、顧客の生の声で、貴重なデータでもある。

ただ、わざわざ、「良い商品をありがとう」という連絡をしてくる人はいない。

電話をしてくる人はほとんどが「不満」に対しての回答を求めてである。

そういう意味では、相談室やらコールセンターというところは、なかなかストレスフルな職場である。

 

クレームの原因

クレームになる原因というのはそこら中に転がっている。
商品の欠陥やサービスに対する不満というもの。


特に商品に不満はないが、対応によってクレームになることもある。

顧客の欲求不満のはけ口になっているところもある。

クレーマーと呼ばれる一部の人達も確かに存在する。

会社の方針と機密情報との関わりなど。

商品、サービスに対する不満

これが基本的な不満の電話である。

使いにくい→返品したい、返金しろ。

すぐに壊れた→新品と交換しろ。

取扱説明書がわかりにくい→使い方を説明しに来い。

なんでもかんでもお客様の不満を電話で聞くことになる。

とりあえずは、使っていただいている、あるいは購入していただいたことに感謝の言葉を述べる。

その上で、「ご不便をおかけした」ことに対してお詫びする。
ある程度冷静になってもらわないと会話ができない。

ただ、使いにくいというご意見に対しては、使い方の提案などをする
使いにくいというお客様の声があったことを拝聴する
できるのはこれだけ。
返品、返金というのは基本できない。

アタリマエのことなのだが、お怒りのお客様には通じない。

相談室やコールセンターによって交換返品を受け付けているところもあると思う。

ただ、メーカーから直販しているものを除き、基本的には、販売は、販売店で行っており、売買契約があるのは、その販売店である。
返品や交換というのはその売店との話である。

普通は購入したところに相談するが、直接メーカーに交換を言う人は、インターネットで購入したいわくつきのものであったりする。
そしてその業者がまともなら、通販であろうと、然るべき対応を取るが、メーカーに行って交換を求めろという業者もいるのである。

中には業者から連絡があり、「初期不良だから交換しろ」というものもあった。
考えれば、窓口を間違えている。
売店なら仕入れたところに言うべきこと。
少なくともコールセンターでは、初期不良かどうかわからないし、そもそもそんなことを判断する権限すら持たせてもらっていない。

その旨を説明するが、理解して貰える人と、ブチ切れる人、いろいろいる。

 

 

対応に対する不満

これはこちらに落ち度がある場合が多い。

ただ、その後ろにある本音は別にあったりする。

 

購入はしたものの、機能的にできること、できないことがある。

その機能がなく、できないとお伝えすると、不満となる。

商品の機能としてできないことはできないと言わなければならない。

だが、できないということに対して怒っているのではなく、その言い方が気に入らないと言い出す。

しかし、よくよく聞いてみると、その裏にあるのは、機能を確認せずに買ったお客様にある場合、もしくは販売した人の責任である場合が多い。

不満のはけ口がないから、「お前の言い方が気に入らん。こっちは客だぞ!何だその態度は!」となるのである。

もちろん、そんな事はわかっているので、お客様に対する態度、言葉遣いをしているのだが、「お客様は神様です」という言葉を曲解している人が多い。

言いづらいことを、丁寧に言ったら言ったで、「そんなまどろっこしい、言い方をするな。できないんなら、はっきりできないと言え」と文句を言ったりしてくる。


申し訳ございませんという言葉を言ったら殺すぞという言い方をする人もいたなあ。

 

まあ、客という有利な立場を最大限に利用して、言いたい放題の人はどこにでもいるが、特に電話でクレーム、文句を言う人はその傾向が強い。

返品や返金をしてもらえると思って連絡してくる顧客も結構いる。
その時は、はじめは結構丁寧な物腰なのだが、こちらで返品や返金ができないという旨を伝えた瞬間豹変する人も一定の割合でいるのである。

言い分は、「こっちが下手に出てりゃ、いい気になりやがって~」である。

  

 

ダブルバインド

これはなかなかつらいことで、上記のようなシンプルなクレームは、そんなに難しくはない。

毅然とした態度で臨めば、後は場数を踏めば、慣れる。
(慣れたくはないが)

 

このダブルバインドとは、板挟み状態を言う。

コールセンターというのはだいたい下請けである。

その会社の純粋な社員で賄っているところはほぼ無い。

以前のメーカーでは、「つかえねー社員」のゴミ捨て場みたいなところになっている場合もあるが、 基本は外注。

「つかえねー社員」は外注の人間のようにマジメに電話をとったりしない。
やっぱり「つかえねー」のである。

話がそれたが、下請けは、クライアント先、つまりそのメーカーからお金をもらって、コールセンターを運営する。

顧客だけを向いて仕事をしているわけではないのである。

そしてクライアント先からは、1件いくらだったり、放棄呼を出さないとか、いろんな指標が示されるが、都合の悪いことは黙っていたりする。

もちろんクライアント様にお金をもらう以上、それに従うしか無い。

顧客第一とか言いながら、実はクライアントの言いなりなのである。

そしてクレームが発生するとなる。

上記のようなシンプルなクレームなら、耐えるだけである。

しかし、会社の代表としての意見を求められたり、本社に文句を言ってやると言われたりすると、正直困ってしまうのである。

本来なら、こんな問題には「社員様」が責任者として、上席対応スべきだと思うのだが、現実にはほぼやらない。
もちろん「つかえねー社員」にはこんなことはさせられない。
それどころか、「つかえねー社員」が怒らせた顧客に電話してお詫びしたりというのもある。

またまた話がそれたが、ようは、顧客からの質問に答えられない内容を突っ込まれたときに非常に困るのである。

「本社に言うぞ!」

本音では「どうぞ、お好きになさってください」なのであるが、弱腰の社員たちは、自分たちの不手際を晒したくないので、それをなんとか防げという。

無理だってば。

こちらはお金をもらって対応しているけれど、権限も何もなく、判断もできない。

いわば丸腰で戦場、最前線に立たされているようなもの。

そんな状態で、御社のアフターサポートの姿勢について、責任ある回答がほしい。
そちらの言い分はわかったが、その根拠となる部分を納得できるように説明してくれ。

あなたは社員なのか?ただの下請けじゃないのか?社員を出せよ。

責任者を呼べよ。

本社に言うぞ!どこの部署の何者だ~

ネットに書き込んでやる~

 

そりゃ病みますわ。

 

あまりにひどい顧客に対しては毅然とした態度で望んでほしいのだが、事なかれ主義。

戦うのは傭兵。

正規兵は後ろで戦えとは言うけれど、何も武器などの援助がない。

言われ続けても本当のことは言えない。

戦うための術も与えてもらえない状態で顧客との板挟みになる。

これが一番つらい。

 

ありがとうの言葉に救いがある

あなたに対応してもらってよかった。

ありがとう。

この言葉に救われる。

顧客からのひどい言葉で傷つく。

そして

顧客からの温かい言葉で癒やされるのである。

 

人間の言葉って本当にすごい力を持っていると、

この仕事を通して勉強している。

 

 

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