悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

可愛いお年寄りに救われる

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コールセンターというところで、顧客対応をしていると様々なお客様と話をすることになります。

私はコミュニティ障害というわけではありませんが、人とコミュニケーションを取るのが得意な人間ではなく、特に電話というものが嫌いな人間でした。

友人に自分から電話をかけたりすることもあまりないです。
こんな人間がコールセンターで電話をたくさん受けることになるとは、若い頃には全く想像できませんでした。

老若男女という言葉の通り、若い人、年配の方、高齢者、ビジネスマン、学生、主婦と色んな人達がいます。

若い世代はあまり電話をしなくなっているようです。
仲間内では電話をするのでしょうが、こういうコールセンター、お客様相談室といったところに電話をかけたりすることはないのでしょう。
人に聞くのが嫌というよりも、困っていることを説明するのが面倒ということなんでしょうか。
たまに相談を受けると、本当に説明たどたどしいのです。
ただし、こちらもプロとして、内容を確認しないといけませんので、うまく説明できない方には、こちらから質問を投げかけ、可能な限り、「はい」、「いいえ」で答えられるような質問をしていきます。

ビジネスマンの方、特に営業系の人はやはり説明が上手です。
聞きたいポイントをズバリと言ってくれるとこちらとしても大変助かります。
ただし、コールセンターにもいろいろな事情がありまして、触れられたくない内容というのもあったりします。
そこはどう差し障りないように持っていくのか?というのが一つのテクニックだったりしますが、鋭いビジネスマンはその点を突いてきます。
そして誤魔化すことはなかなかできません。
下手に誤魔化そうとするとそれこそ大事になってしまう場合もあります。
我々はエンドユーザーである電話をかけてくる人もお客様ですが、我々の給料となるお金を出してくれているクライアント先というのも非常に大切なお客様です。

そしてエンドユーザーの利益とクライアント先の利益はだいたい一致しないものです。
そこにこの仕事の苦痛があったりするんですね。

 

電話相談がも多いのが高齢者なんです。

ビジネスマン、とりわけ若い人はネットを駆使して、メーカーなどのFAQなどで解決できるのか、ほとんど相談の電話をしてきません。
電話をかけてなかなかつながらない待ち時間というのを嫌います。

年配の人はFAQを使いこなせないというのもありますし、そもそもそれを面倒だと感じ、電話が手軽だと思ってかけてくるわけです。
電話相談をしてくれるおかげで我々の仕事があるのですから、ありがたいお客様でもあります。

しかし、いざお困りごとを相談しようとすると、お客様自身のお困りの状況を説明できない人や、お困りの状況に対しての対処法を説明しても理解できない人。
こういった人たちは必ずいます。
できるだけ平易にわかりやすく説明しようと心がけていますが、わからないとイライラして、こっちは客だぞ!と怒鳴り散らす人もかなりいます。

世間で「老害」と呼ばれる人たちなのかもしれませんが、ちょっとしたことで話が噛み合ってなかったりすることがほとんどなのですね。

 

ただ、嫌なことばかりではなく、心が洗われるようなこともあるのです。

高齢者の中にもそういった自覚がある人もいて、説明がうまくできなくて申し訳ないという態度、言葉、物腰の人もいるのです。
そして笑いがあり、愛嬌のあるお年寄り
こちらも仕事とはいえ、人間ですので、そういうお年寄りとの会話は楽しく、なんとかしてあげたいという気持ちになります。
1時間以上も対応していても全く苦痛ではなく、「またお困りのときにはお電話くださいね」という言葉を心から言えるとき、なんとも言えない充実感があるのですね。

 

 

 

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