悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ハサミ男 殊能将之

くりーむしちゅーの有田がオススメということで、女房が読みたくなったと言って買ってきた本。
私はそんなに興味はなかったが、女房は今、「愛の不時着」ブームで本を読むことはない。読めばすぐに眠くなるようだし。

というわけで私がそれを読んだ。
読みやすいとも言えるし、そうでもない部分もある。
娯楽小説なんだから、ありえねーという展開も許容するほうだが、このありえねー展開はちょっと無理がありすぎるように感じる。

犯人はヤス」。これはポートピア連続殺人事件というゲームを端的に表している言葉。
この小説もその言葉が浮かんだ。
いくつか仕掛けがあって、「読者は必ず騙される」というサブタイトルが帯にあったりしそうだが、その仕掛けがセコいというか、ズルいというか、卑怯な感じがする。
騙されて爽快感を感じるようなものではなく、不快感を感じるような。
有田氏がこれを強く薦めた理由がよくわからない。そんなにいい話か?
そんなにすごい小説か?

なんかけなしてばかりだが、読んでいる間は悪くなかった。終盤にかけて、真犯人が解明し、結末が描かれてしまうと、本当につまらない。
突然出てくる、実は私が「ハサミ男」でしたみたいな展開は、この手の小説では反則技だと思う。
犯人はヤス」という警察の関係者が絡んでいて、なおかつ終盤に登場するハサミ男がストーリーの根幹をスッポリ持っていってしまうという展開に、「なんやこれ?」と思わずにいられない。

それだけではないんだよね。登場人物が気に入らないのもある。
それはまた別な理由だが・・・。

 

 

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 

 

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