女房が買ってきた文庫である。
途中の「幻の声」をうっちゃっといて、これをおとといあたりから読み始めた。
なかなか面白い展開で、すんなりと読み終えてしまった。さすがに今の売れっ子作家なのだと思う。
ただ、ちょっと浅いというか、読後は物足りなさを感じたのも事実。「容疑者Xの献身」のようなドンデン返し感も少し薄い感じがした。「秘密」のような心を揺さぶられるような感じもなかった。期待値が高いので、そう感じたのかもしれない。まあ、普通に面白かったので不満はないが。
最近の脱法ハーブではないが、ここに描かれるアイテムに「電トリ」というものがある。「電気トリップ」というのがその正式名称なのだろうか。電気ショックで性行為の快感を高めるというアイテムだが、合法的には単なるパルス発生器、使用方法は個人の判断に委ねるというあたりも脱法ハーブみたいなものか。時代を読んだアイテムだと感心。
もう一つは蓼科兄妹が開発したシステムを駆使して犯人をプロファイルすると言う特殊解析研究所。ここの主任研究員である神楽と刑事の浅間が中心となって物語が進んでいく。刑事もの、サスペンスでもある。
プラチナ・データとは何か。これもまた小説の世界だけだと思いたい話である。現実でもあるのなら怖すぎる。
真犯人が語った「総理大臣の息子が、ある日突然…」というくだりはどこぞの元首相の息子の変死を連想させるものがあったが・・・
読んで損なし。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/07/05
- メディア: 文庫
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