ダン・ブラウンの「ロスト・シンボル」を読んでいたんだが、イマイチノリが良くないのでうっちゃっておいて、女房が珍しく中古本ではなく本屋で購入してきた「イニシエーション・ラブ」を読んでみた。
映画館で映画の広告で前田敦子が「たっくん、好き」とかいうシーンがあって、そのあたりの記憶をもとに恋愛小説だという意識があった。
ダマされる。そして2度見たくなるらしい。
読みやすい。とりあえず極普通の恋愛小説である。
前半を気持ちよく読んでいた。
そしてSide Bに入り、違和感を感じていたにも関わらず、鈍い私は最期の「辰也」という名前が語られるまで全くわからなかった。
騙された。
その騙され方は気持ちのよいものではなく、ちょっとムカつくタイプのものであった。
乾くるみという名前にも騙された。
名前から女性だとばかり思っていたが、普通のおっさんらしい。世代的にはモロに私とかぶる。
ともあれ、種明かしを知ってからはガッカリというか、気の毒な女性であったマユが狡猾な女性であり、辰也も酒乱でサイテーな男である。
心の何処かで応援していたのに裏切られたようでムカつくのである。
騙し方が汚いというか、そういうものなのかもしれないが…
真相を知ってしまえば、Side Aの主人公であった夕樹が可愛そうである。
夕樹という名前を「タキ」だから「たっくん」というのは強引だと思っていたが、そういうことかと納得。
ここで思い出したのが篠田麻里子の「しーちゃん」という呼び名である。
握手会ではとりあえず相手のニックネームを「しーちゃん」に統一してしまうあのテクニックと同じ。
- 作者: 乾 くるみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/04/10
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映画は見に行かないだろうけど、レンタルが始まれば借りてくるかも