悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

犬神家の一族 横溝正史

今更だが、横溝正史犬神家の一族を読んだ。
と同時に映画も見た。1976年版が名作とされているが、その作品のリメイクである2006年版を見た。
本がいいのか、映画がいいのかというのはよく言われることだが、こういう作品はやっぱり本がいいんではないだろうか。
映像を見てから本を読むとどうしてもその映像が記憶から離れないので、本来は原作を読んで、それから映画を見るというのが正しいと思う。
しかし本よりも映画が素晴らしいといわれるものもあるらしい。

話がそれたが、かなり古い本なので、今の時代にこの本の背景がわかる人はどんどんなくなってしまっている。戦後の話であり、復員兵が登場する。
女工、女中という言葉もあの時代ならではかもしれない。いくらミステリーの名作で、映画もこういう作品の中ではよくできているといわれても、需要がなくなれば忘れ去られていく。こういう作品もそうなのかもしれない。
莫大な遺産とその遺言により残された血縁が恐るべき事件に巻き込まれるという話だが、人間の浅ましさを描いているという点では今の時代も同じで、そういう面で、今後この作品を映画でリメイクする場合には時代に合わせた調整が必要なのかもしれないが、原作の持つ雰囲気やエッセンスは大きく損なわれてしまうんだろうと思う。

 

 

犬神家の一族(2006)

犬神家の一族(2006)

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