悪魔の尻尾

みなさ~ん、元気にしておりますか?

悪魔の手毬唄 横溝正史

いつも読ませてもらっているムッくん様のブログ「小説を勝手にくくって20選!」の影響で、長らく積読になっていたこの本を読みました。

ひょっとしたらどこかテレビで映画などは見たのかもしれませんが、全く記憶にございませんので、新鮮な気持ちで読めましたね。

八つ墓村」「犬神家の一族」など角川映画として、金田一耕助シリーズとして少年時代は話題になっていた作品です。

 

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大空ゆかりという人気歌手が地元に凱旋しますが、決して郷里では歓迎されていないようです。
この美しい歌手と同じ年の美しい娘たちが殺されていく話なのですが、そこにはさらに古い時代にこの土地の「亀の湯」で起きた凄惨な殺人事件が絡んできます。

物語はのどかな語なのですが、殺人事件が立て続けに起きるなど、この田舎の村ではまさに悪魔に呪われたかのような殺人事件が起きるのです。

村という社会におけるパワーバランスや嫉妬などがうずめいていることが徐々に明かされていきます。


あらすじやその他諸々の解説はムッくん様のブログを読んで頂くほうがよろしいかと思います。

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この事件、3人の美女の次々と殺される連続殺人事件自体がかなり昔の物語の設定です。

書かれたというか連載が始まったのは1959年からですので、半世紀以上も前の話なんですね。

そしてこの物語の中で更に昔の事件、昭和一桁の時代の事件との関係が暴かれていくのです。

登場人物は、殺された美しい娘たちは若いのですが、主要人物はそれなりの年齢。

昔の歌などを口ずさむ長老や村の顔役的な人物などが登場し、会話は岡山の田舎の村落での会話が中心であるため、方言がかなり強く、字面を追っていくのは結構つらいところもあります。

関西人なので、字面を性格に読んでいけば、そのイントネーションまでなんとなく再現できるような気はしますが、そのような言葉を使う人にはなかなか出会えるものではありません。

 

謎解きの点では最後の方になるまで全くわかりませんでしたが、金田一耕助シリーズでは、次々に殺されていく人たちを暗示しているのが、モノであったり、歌であったりします。

最後に種明かしをわかりやすく金田一耕助が解説してくれるのもこのシリーズの特徴でしょうか。

ラストにかけての読み応えは素晴らしいですね。
そしていつもながらに、物悲しい話が多いのです。

殺人事件。
金、財産といった欲に絡むものもあれば、嫉妬や恨みといった積年の感情からくるものがあります。

一時的な、発作的な殺人ではなく、犯人には意図があり、それを暗示してくれるこのシリーズは多くのファンを生み、映画としても公表だったのは当然かも知れないですね。

 

 

 

 

 

 

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