深田恭子と北川景子の映画で話題になった作品だが、実はこの小説はかなり古いものらしい。
小説ならでは仕掛けがあって非常に面白い。
現実に映画でこの作品を作ってもどこまで面白くできるか微妙なところ。
実際映画は原作とはかなり違うようである。それについては賛否両論あるようだが、この原作を映像化するのは難しいと見る。
西村麗子と萩尾春海が大学の下宿を探している時に偶然出会い、二人で素敵なマンションを借りて共同生活に入る。
しかし西村麗子が次第にというか以前と全く違う人物に豹変する。
そして謎の失踪。
プロローグは残酷な殺人シーンで始まり、序盤は謎の女、西村麗子が多重人格者としていろんな人間としての顔を持つことが次第に明らかになっていく。
そして中盤はさらにいくつかの殺人事件とのからみで事件の真相へと近づいていく。追うのは春海と大学の先輩の工藤、そして工藤のいとこの武原。
後半にはいくつかの仕掛けが盛りこんであり、犯人像に近づきつつもあっと驚く結果に。最期にはハッピーエンド?ともとれるようなとれないような微妙なところ。
エピローグは要らなかったかな。
間違いなく面白い小説。読んで損はないと思う。
この小説は一連の多重人格者たちの物語だが、真の犯人は多重人格者を創りだした幼少期のトラウマ。
つまりボブであり、育児放棄した母親である。真相が明らかになるに連れ、なんともやりきれない。
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