綾辻のファンである職場の同僚から借りた。今までの作品と比べて相当にグロい表現があるので、途中で気分が悪くなったりしたらやめていいですよ!と注意されたくらいの作品。
まあ、ある程度はホラーやグロに耐性はあると思っているが、心してかからねばと思って読み始めた。
綾辻作品としては大きなトリックは最後にあったが、やっぱり強引。しかしこの作品はトリックを楽しむものではなく、グロさを追求したものだと思う。とにかく殺人鬼には動機などが不明で、犯行のバックグラウンドのようなものは描かれていない。描こうとしているのいかに残忍に被害者を殺害するかという一点である。
こんな残忍な殺害が行われるので当然設定も通常の状況ではなく、山小屋という設定。話の中にも出てくるが、まさに13日の金曜日のような状況である。犯人も常識では考えられない人物でもはやモンスターといってもいい。
血や肉が溢れ出し、メッタ切りはもちろん、残酷な表現をするために知恵を絞って書いたという感じがところどころにある。本当に読み手を選ぶスプラッター小説なんだろうと思った。
冒頭から早い段階で殺人が行われ、初期段階から殺し方はえげつない。
あとがきで綾辻氏自身が言い訳っぽく暴力は嫌いと書いているが、そういうことを書かないと変人と思われそうな作品だからなのか?
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/01/30
- メディア: 文庫
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