悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

SHOGUN

画像は公式サイトより

Disney +で配信されているテレビドラマ「SHOGUN」を見ました。
ジェームズ・クラベル原作の小説をドラマ化したもので、1980年の映画「SHOGUN」のリメイクとされています。

原作者も外国人で、ストーリーも日本の史実、戦国時代をインスパイアしているもののすべてが架空のお話です。
本格的な撮影でその力の入れようは素晴らしいのですが、日本人から見たら噴飯ものです。
多分1980年版も同じようなものだったのでしょう。
日本人、武士、戦国時代の女性、切腹、遊女、描きたかったことは色々あるのかもしれませんが、海外でこの映画やドラマの評価が高いというのが私には理解できません。
モデルとなる人物が大物だけに。
吉井虎永はもちろん徳川家康であり、石堂は石田三成
ブラックソーンはウイリアム・アダムスであり、通訳を務めるのが戸田鞠子で彼女のモデルとなったのは明智光秀の娘で細川忠興の妻であるガラシャですね。
日本の歴史とは違う内容で、そもそも石田三成大老であるはずもないし、徳川家康がこんなに弱い立場のはずもないです。
とにかく歴史的な観点からは見るべきところはないと感じました。
日本人、武士、侍の時代の雰囲気や精神世界を描こうとしているのなら、ちょっと待てよと声を大にして言いたいところ。
ちゃんとした歴史の考証がある作品を知ってほしいと強く思いますね。
雰囲気だけで知った気になるのはどうも腹立たしい限りだと思うんです。

とここまえ批判的な口調で書いていますが、ちょっと待てよと考え直します。

アメリカの開拓時代を、ジョン・ウェインの西部劇で「そういう時代だったんだろうね」と私たちが考えることと何ら変わらないと思うと、それはお互い様。
ましてやマカロニ・ウエスタンで血みどろの開拓史こそが当時のアメリカ大陸だったというのは、二重の意味でありえないことですよね。
(あれはアメリカの開拓史の歴史ではなく、のちのホラー・スプラッター映画の前哨戦だったのではないかと思ったりもします。)

まあ、日本人が作った巨匠黒澤明さんの映画作品もただの時代劇であり、あれが歴史を表しているということはないでしょう。
いずれにしても文化の違いを理解するのは果てしなく大変なことだと思い直しますね。

さて、このドラマですが、私たちのように日本の歴史を学校で学んだり、ドラマや本で歴史を知ったりしている者にとっては、色々とバイアスが掛かって、ストーリーに集中できません。
日本の時代劇も完全に虚構なんですが、あれは大きな事件とかではなく小さな事件や日常を描いているから成り立っていると思うんですね。
つまり私たちが学校で習った教科書にないことを描いているから成り立っています。
徳川家康が吉井虎永であったり、石田三成五大老の一人だったりとか、違和感がありすぎて無理です。
完全にフィクションと思いながら見ていても、あの戦いは関ヶ原そのものを表していますし、太閤亡き後の跡目争い、天下分け目の戦いだと思ってしまうと、違和感しか感じないんですね。
ただ一つ評価できる点は、欧州における覇権争いがこの島国でも行われていたという点を描いていることですね。
西欧の国々も虎視眈々と植民地を増やしたいとしのぎを削っていたわけです。

太閤亡き後、日本の覇権争いが関ヶ原の本質のように描かれている作品は多いのですが、このSHOGUNではイギリスVSポルトガルもしくはスペインあるいは、プロテスタントVSカトリックの代理戦争としても見ることができます。

派手な関ヶ原の合戦シーンなどはありませんが、日本的な考え方、風習といったものを外国人が知るうえでは、うまく作っているとは感じます。

さて、映像というか、お金はかかっているドラマというのはわかります。
日本のテレビや映画ではこんなにお金を出せないでしょうね。
ロケはカナダで行われたとか言われていますが、日本風の家屋などもすべて撮影のために作ったもので、ハリウッド式ですね。
結構残酷な描写もあり、それがリアリティとして語られているのかもしれませんが、戦国時代とはいえ、そこまで命を軽視していたのだろうか?という疑問もあります。

 


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事前に情報を知らずにこのドラマを見始めて、しばらくしてから過去に「将軍」という映画があったことを思い出しました。
とはいえ、その映画は見ていません。
清純派女優だった島田陽子さんが若かりし頃にハリウッドデビューを果たした映画ですね。
映画でヌードを披露したりして話題になっていたことを思い出します。
まだ中学生か、高校生くらいの頃だったと思いますね。


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