悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

郵便配達は二度ベルを鳴らす

画像はBlu-rayパッケージより

Amazonにも画像はありました。

画像はAmazonより

こちらのDVDのパッケージのものですね。
1981年の映画ですので、かなり古い映画です。
このパッケージではなく、イラストの描かれたBlu-rayのパッケージのほうが印象が深いですね。
当時高校生だった私には刺激が強すぎる映画で見ていませんが、なにかの映画を見に行ったときの映画の広告でものすごくドキドキしたのを覚えています。
そして当時は意味不明だったこの意味深なタイトルも「妄想」を掻き立ててくれました。
凄いタイトルだと思いますね。
そして冒頭から凄いシーンを見せてくれます。
原作が素晴らしいのでしょうが、すでにこの原作は4度映画化されているらしいです。
凄いものですよね。
ちなみに当時からジャック・ニコルソンという俳優は有名でしたし、相手のジェシカ・ラングという女優も知っていました。
キングコングを劇場に見に行っていて、その時のヒロインが若き日のジェシカ・ラングだったんですね。
なんというか色気が半端なく、キングコングを見ていたときも妙にドキドキしたような記憶があります。

さて簡単にあらすじを説明します。
ある田舎町に流れ者のフランクがやってきます。
その田舎町のダイナーを経営するのがパパダキス夫妻。
ギリシャ人の年配の男性は年の離れた美しい妻と幸せに暮らしていたのですが、この妻であるコーラに一目惚れしてしまいます。
そしてフランクはこの店で修理工として住み込みで働くことになります。
フランクは欲望を抑えきれず、コーラに襲いかかりますが、強い抵抗もなくコーラはフランクを受け入れます。
夫であるニックとの生活にも不満があったのでしょう。
そうやって逢瀬を繰り返しているうちに、二人は邪魔なニックを亡き者にしようと計画を立てますが、1度目は失敗します。
その失敗によってフランクはかえってニックからの信頼を得ることになりますが、ふたりにとっては面白くありません。
そして2度目の殺害計画で交通事故を偽装して、ニックを殺害するのですが、フランクも大怪我を負ってしまいます。
病院で治療を受けるフランクですが、ニックには多額の保険金もかけられていました。
そしてフランクには前科があり、保険会社からは殺人事件として起訴されてしまいます。
彼は有能な弁護士を雇い、コーラともども無罪を勝ち取りますが、保険金は弁護士費用にとられてしまいます。
裁判のいざこざがあってから、二人に仲は急速に冷えてしまいます。
そんな時、音信不通だったコーラの母親からの連絡があり、コーラは出かけていきます。
フランクは店を休業し、ふらりと出かけてそこで別の女と関係を結んでしまいます。

コーラは戻ってきて、それらの事実を知るのですが、その後二人は子供を作って普通に暮らそうとお互い気持ちを新たにするのですが、悪いことを起こした二人に幸せは訪れません。
対向車を避けようとして急ハンドルを切った車から落ちたコーラは帰らぬ人となり、フランクは喪失感に包まれてエンディングを迎えます。

 

割と序盤に激しいラブシーンがある映画です。
ラブシーンと表現していますが、かなり荒々しいです。
格調高い映画で、その手のシーンを見せるための映画ではないですが、とても激しいですね。
DVDのパッケージの写真もそうなのですが、Blu-rayのパッケージにもなっている映画のイラストはとても煽情的ですね。
多分公開当時はこのシーンが話題になったのではないでしょうか。
スマートフォンなどで多分音声を出して映画を見るのは憚れるかもしれません。
警察に顔が知られているほどの小悪党のフランクを演じているジャック・ニコルソンはやはりすごい俳優ですね。
この映画のために存在しているかのような気になります。
相手のコーラを演じるジェシカ・ラングもまだ若く、スラリとした長身の美女です。
年の離れた夫との生活に飽きてしまって、若い男との生活を実現するために共謀して夫を殺すという推理小説などでは王道とも言える展開です。
財産目当てで年老いた金持ちと結婚する若い魅力的な女性というのは今も昔も変わらないということでしょうか。
橘玲さんの本の影響なのか、そういった女性を否定する気になりません。
むしろ彼女たちは感覚的にそうするべきだと判断しての行動でそれが理にかなっているのでしょう。
若さや美しさというもの(エロティック・キャピタル)を資本市場においてマネタイズしているんですね。

 

 

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さて4度も映画化され、それぞれが評価されている作品ですので、原作も素晴らしいのでしょう。
ジェームズ・M・ケインという1892年生まれのアメリカの作家によるもので、この小説がデビュー作品だそうです。
そして大ヒット。
もともと大学の好調だった父親のもとで教師をやっていたりしました。
また新聞などで社説などを書くなどジャーナリストの仕事をしていたようです。
それらの仕事の合間に短編小説は書き始めていたようですが、長編作品となるとこの作品が最初の作品らしいです。
いわゆるいきなり作家としてヒットした人というよりは、文学の博士号も持っているほどの人ですから文章表現の質はデビュー作からとても高かった人みたいですね。
機会があれば読んでみたくなりますね。

 

 

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