悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ハウスメイド エロティックな映画だけど、やりきれない話

Amazonプライムビデオでもうすぐ公開終了ということの告知をちらっと見て、この作品を見てみようと思いました。
実は以前から気になっていた作品なんですね。
この映画のジャケットがすでになんともエロティックな感じを醸し出しています。
この映画、Amazonでは、今はもう無料期間が終わってしまったのか、有料になっているようです。

 

 

映画の概要

監督:イム・サンス

脚本:イム・サンス

製作国:韓国

公開:2010年5月(韓国)
   2011年8月(日本)

上映時間」107分

興行収入:14,700,000ドル

あらすじ

友人と一緒に住みながら、なんとか生きているウニは、ある富豪の家に住み込みのメイドの仕事を受けることになりました。
見たこともないような豪邸では若い妻とピアノが趣味の夫、そして幼い子供の3人家族でしたが、身の回りの世話をするメイドのビョンシクという年配の女性がいます。
そもそもこの仕事を依頼してきたのはビョンシクで、ウニをテストしての採用でした。

この豪邸に済む若奥様のヘラは双子を妊娠中。
自然分娩のためのケアに忙しくしています。
彼女は家事というものを全く行いません。
それらはメイドであるビョンシクやウニの仕事。
それどころか、足の爪のマニキュアまでさせています。

ウニがバスルームを掃除していると、この家の主であるフンが帰ってきました。
この家のメイドには制服が支給されていますが、やや丈の短いスカートで掃除をしているウニの太ももはあらわになります。
若いメイドへの主の視線をベテランのメイドのビョンシクは見逃しません。

ウニはおっとりした性格で、仕事にもなれていきます。
この家のお嬢さんである幼いナミの子守も仕事のひとつなのですが、ナミはやさしいウニに大変仲良くなります。

妻の妊娠で夜の生活が物足りなくなったのか、それとも単純に興味を持ったのかはわかりませんが、この家の主のフンが夜中にウニの部屋に忍び込みます。
もちろん目的は彼女の肉体でしたが、ウニは拒むことなく、受け入れてしまいます。
そうするうちにウニは妊娠。
それに真っ先に気づいたのはベテランメイドのビョンシクでした。
彼女は本人には内緒で若奥様の実母に新しいメイドが妊娠したのではないかと告げるのでした。
ヘラの母は、相当に欲の皮が突っ張った女性で、ウニを階段から突き落とそうとします。
ウニはシャンデリアにぶら下がり、軽いけがですみましたが、祖母が大好きなウニを突き落とそうとしたことをナミは見ていました。
その後ウニが夫の子供を妊娠したことを知ったヘラはウニニ怒りをあらわにし、暴力をふるいます。
ナミはウニは何も悪くなく、可愛そうだと告げるのです。
この異常な家の中で唯一人ウニの味方はナミだけでした。

ウニは一人で子供を生むつもりでしたが、それも許されず、知らない間に子供を下ろすための薬を盛られているのでした。
バスルームで出血するウニ。
主のフンに妊娠していることと、それがヘラにもバレていること、自分も子供を生みたいと告げます。
フンはウニに自分の子供を生んでくださいと告げます。
しかしウニはヘラの実母の知り合いの医者のもとで堕胎させられます。
退院後、同情するビョンシクはお金を持って、いい男でも探すように告げるのですが、彼女はこの家に復習を誓うのです。
この家に戻り、ウニは自ら首を吊り苦しみながら死んでいきます。
暖炉の火が彼女の体に燃え移り、日の塊となってゆらゆらと揺れるのです。


 

感想

この映画を見て思ったのは、ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」でした。
それもそのはずで、この映画はリメイクらしいのですが、元の映画である「下女」という作品は海外でも非常に評価の高い作品らしく、その影響をものすごく受けたといいます。
「下女」とこのリメイクである「ハウスメイド」はストーリーこそ違うものの、やはり貧富の差を描いた作品です。
「パラサイト 半地下の家族」でもこれでもかというくらい貧富の差を描いていますが、この映画はそれ以上にえげつない気がします。
下女、メイドと言うのは人間扱いではありません。
もちろん、いい家で、美味しいものが食べられますし、メイドの制服だって悪くはありません。
しかし、若奥様の態度や若奥様の実母の態度はひどすぎます。
この家の主人も同様に、メイドに対する愛情というよりは、性欲のはけ口でしかありません。
それでも自分の子供であるとわかると、生んでくださいといったのでまだましな方でしょう。
ウニの子供を堕胎したヘラの母親に対しては相当な怒りをぶつけます。
でもやっぱり他人事なんですね。
ウニがなくなっても、普段どおり贅沢な生活は続いていますし、新しいメイドたちもいます。
そんな中、ぼんやりとウニの姿を思い出して重ねているかのようなナミが悲しい目で見ているラストシーンでした。

前半部分は、かなりエロティックでした。
そういう目で見る映画ではないのですが、ウニを演じる女優チョン・ドヨンは決して美人というタイプではないのですが、大変スタイルが良く、ちょっと鈍いところのあるいい人でした。
バスルームを洗うシーンなどドッキリしますね。
というかあの制服はこの家の主人の趣味かもしれませんが、タイトスカートが短すぎて、家事には向いていないと思いますね。
ソナタテンペストを趣味で弾くこの家の主を演じているのは、「イカ・ゲーム」で一躍有名になったイ・ジョンジェ
イカ・ゲーム」では情けない男を演じていましたが、この映画では圧倒的なお金持ち男でとても気ままな人間です。

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