妻が結構ハマっていたようで、何度か分けながら全24話視聴しました。
まだ、U-Nextでの配信で、見放題ではありません。
第1話だけは無料ですが、残りの23話はすべて有料コンテンツです。
これが見たいがために、妻は会員となって、毎月の会費に付帯する1200円をこのドラマにつぎ込んでいるのでした。
おかげで私もこうしてみることができたんですけどね。
前回も少し説明しましたが、ホテル・デルーナというかなり変わったホテルが舞台。
このホテルは生きている人には見えません。
というか入れないのです。
たまに生きた人間が紛れ込むことはあるのですけどね。
ともかく、このホテルのお客様はあの世に行く前の心の整理をするための場所。
心残りのことをこの場所で精算できることもあるのです。
各話のストーリーにも様々な人間の死の裏側のドラマがあるのです。
主人公はチャン・マンウォル。
演じているのはイ・ジウンと言う女性ですが、イ・ジウンと言ってもピンとこなくてもアイドル歌手のIU(アイユー)といえば、分かる人も多いのかな?と思います。
私はあまり知らないのですが、妻は大好きなようですね。
ちなみに私は日本のPOPSも全然ついていけておりません。
ストーリーはファンタジーですが、ヨーロッパの剣と魔法のと言うファンタジーとは一味違った展開です。
1000年以上前の話に戻るのですが、主人公のマンウォル(満月)は「月の宿」を経営することになるのです。
今でこそ素敵なホテルなのですが、なかなか経営が思うように行かなかった時代もあり、そんな苦労も1000年以上続けているわけです。
彼女ももちろん幽霊。
まだあの世に行くことができていないのです。
マンウォルをあの世につれていくことができる運命の男がク・チャンソンです。
ヨ・ジングと言う若手の俳優ですが、ただのイケメンではなく、子役時代から活躍しているキャリアのある演技派実力俳優です。
このふたりを中心に物語が進みます。
そして予想通りこのふたりはお互いに惹かれ合うわけですが、最初はものすごいいがみ合いで、途中からはツンデレ~。
そのあたりを見ているだけでも、楽しめます。
いや、こんなオッサンでも楽しめますので、若い人ならもっとぐっと来るのかもですね。
チャン・マンウォルとク・チャンソンの二人以外にもレギュラー陣が楽しい人達なのです。
そして彼らにもやはりあの世に行くことができない事情があるのです。
学士と呼ばれるキム・ソンビはこのホテルの最年長。
500年も勤めているのです。
このホテルのとてもきれいなバーでカクテルを作っています。
代表的なカクテルが「ティアーズ」。
社長のマンウォルの性格も知り尽くしています。
面白く楽しいおじさんですが、恋のことはわかっていないというか鈍感です。
客室長は女性のチェ・ソフイ。
彼女もすでに200年このホテルで働いています。
とても女性的な一面もあるのですが、ある意味男っぽい性格をしています。
彼女にもあの世に旅立つことができない物語があります。
女性同士ということもあり、一番社長のマンウォルとわかり会える人かもしれません。
フロントマンは若手のチ・ヒョンジュン。
いつも居眠りばかりをして社長に怒られていますが、彼が死んだのは朝鮮戦争時代。
すでにこのホテルに70年もいますが、姿は高校生みたいなものなのです。
いつもニコニコしている好青年です。
こんなホテルのメンバーに加えて、人間側にもク・チャンソンを中心にいろんな人物が登場します。
一緒に住んでいる若きピザ店の経営者、サンチェス。
婚約者の事故死に悲しむ彼にホテル・でルーナが見せる奇跡があります。
もうとてもいい人過ぎて可愛そうですが、物語の終盤には立ち直ってくれていましたね。
小児科医のイ・ミラはク・チャンソンの元彼女。
そして彼女はマンウォルの敵の人物の生まれ変わり。
彼女とのやり取りも見どころの一つです。
こんなファンタジーですから、神様も出てきます。
マコシン(麻姑神)というのは初回から登場しますが、この世界では圧倒的な力を持つ人です。
誰も逆らえません。
しかし生意気なチャン・マンウォルはマコシンに対しても屈するところがありません。
そしてあの世へタクシーを走らせたり、リムジンで送ったり、バスで一気に送ったりする仕事をしているのが死神です。
セリフは少ないのですが、独特の雰囲気です。
このドラマを通じて思った点がいくつかあります。
映像がとてもきれいなことですね。
ホテルもありえないほどきれいで格好良く、言ってみたいなと思わせるような感じです。
テラスで語り合うシーンの夜景を背景にしたところなど、あまりに綺麗すぎて、これは作られたものだろうと思っていたら、やっぱりそうでした。
CGが全て良いとは言わないですが、お金をかけてきれいな景色を作るというのはハリウッド映画では当たり前にされている技術です。
ただし金はかかりますよね。
24話と長めのドラマとはいえ、製作費は20億円です。
ドラマです。
こんなに大金を投入してもドラマを作ることができるのは、はじめから世界をマーケットにしているからで、当然質も高いものが求められます。
日本のテレビドラマはどれくらいのお金をかけて作られているのでしょうか。
もう一つ、主演女優のファッションがとても素敵なのですね。
もちろん日本のドラマでも女優さんがきれいな衣装をを身に着けていると素敵ですよね。
でもなんというか、こんな衣装どこから持ってきたんだ?というような、まるでパリコレに出てくるような衣装があったりするんですね。
チャン・マンウォル社長の派手な衣装もそうですが、「サイコだけど大丈夫」と言うドラマでのコ・ムニョンが来ていた衣装も普段着ではありえないような衣装でした。
お二方ともにこれまたすごいスタイルが良いので、とても似合っているんですよね。
庶民的なドラマも良いですが、ちょっと現実離れしたドラマも、作り方によってはとても楽しめるのです。
予算という壁が日本のドラマにはあるので、コストの掛かるCGは使わないですし、ロケも最小限。
何よりも悪いのは、売れているアイドル、ジャニーズを優先し、ぽっと出た演技のできない若い子を使うためのドラマや映画が多すぎて、演技のできる中堅俳優がそのための添え物になっているんですよね。
作る方も、優先順位が「作品」ではなく、「タレント」何でしょう。
作っていて面白いのでしょうか。
テレビドラマから離れ、日本の作品でもNetflixオリジナルの作品は質が高いです。
「全裸監督」もそうですし、「今際の国のアリス」もテレビドラマとは一線を画しています。
ただ、予算という面で見ると、経済大国の日本はNetflixの世界でもそれほどお金はかけていませんよね。
テレビドラマよりは数段素晴らしいですけどね。