「チャイルド・プレイ」はホラー映画で結構有名な方に入る。かなり昔見た事がある。映画館ではなくレンタルビデオだったが。
調べてみると1988年。相当に古い。今の若い人はホラーファンくらいしか見ていないだろう。
最近になってリメイクされたようだが、この度Netflixで配信されたので、早速見てみた。
まずは旧作について。
アンディという少年は古い作品と同じで、母親との二人暮らしという点も共通だが、時代は変わり、随分とストーリーも異なる。
チャッキーことチャールズ・リーレイは殺人鬼で逃走していた。逮捕直前に逃げ込んだ玩具工場で、黒魔術によってグッドガイ人形に魂を移す。
そのグッドガイ人形を誕生日プレゼントとして受け取ったのが幼いアンディ。
グッドガイ人形は自らチャッキーと名乗り、アンディと行動する。
しかし、彼はチャッキー人形の本性に気づき、母親に報告するが、幼い息子の戯言を信じない。
チャッキーはもともと殺人鬼である。その「殺し」に対する衝動は抑えられなくなっていく。
アンディの家族の周りで不可解な死が発生する。
母親はアンディの言葉に従って、グッドガイ人形を点検すると入ってあるはずの電池が入っていない(恐怖)。
そこからは殺人鬼の本領を発揮。
という流れのホラー映画で可愛い人形が恐ろしい殺人鬼というギャップが面白くてヒットした。
新作は日本では7月19日に公開したばかりの映画でネタバレになるので、ご注意を。
アンディという少年は前作よりも少し大きめ。
幼児ではない。
そして母親と子供一人という家族構成も同じ。
同じなのはこのあたりだけで、主人公であるチャッキーは全くの別物。
本性も能力も以前の作品とは異なる。
では、そのチャッキーだが、今回はグッドガイ人形ではなく、バディという友達人形である。
AI装備でスマートフォンと連携し、あらゆることを学習し、子供をサポートするという優れた商品である。
AI家電なら何でも操作可能。
またAIで車もリモートで呼んだりすることができる。
子供の学校の時間割もしっかり把握し、子供をサポート。
もちろん危害が加えられることがないようにあらゆる規制がかけられている。
このバディを作っているベトナム工場で働いている男がサボりの常習犯で向上をクビになる。
その逆恨みで作りかけもバディのあらゆる規制装置を解除する。
「不良品」として店頭に並ぶことになったバディはお客様からクレームで返品される。
返品、クレーム受付の処理係をしていたのが主人公の母親。
今回、母親は若く、魅力的な女性。
彼女には恋人もいた。
アンディにとってはその男の存在が嫌でたまらない。
「タガ」の外れたバディ人形はチャッキーと名乗り、彼は主人公が下品な言葉を使うと同じように真似をした。
また、友人の家でホラー映画をゲラゲラ笑いながら見ている人たちから、「学習」していく。
アンディにはペットの猫がいた。
猫がアンディを引っかいて怪我をする。
アンディを傷つけたということで猫を殺そうとする。
近所の友人と一緒に嫌いな母親の恋人を驚かそうとチャッキーを使って悪戯をする。
母親の恋人はチャッキー人形が気味悪く、そういう悪質ないたずらをするアンディを激しく非難する。
アンディはその不満をチャッキーに漏らす。
チャッキーは「タガ」の外れた人形である。
しかもホラー映画で学習済みである。
成り行きは最悪なところへと行く。
チャッキーが人殺しをしたことを知ったアンディや友人たちはチャッキーを捕まえて廃棄するが、それを拾ったメカに強いオッサンが修理をする。
AIの機能によって様々な「殺し」ができることになったチャッキーはおもちゃ屋でバディ人形を仲間として利用する。
多くの人が巻き込まれるが、彼の母もチャッキーによって人質となり、アンディを呼び寄せるための餌となるのである。
最後の戦いがアンディとの間で行われる。
少しのスプラッター要素はあるが、やはりそんなに怖くはない。
人形として、作られたものとしての悲哀を感じるところもある。
全ては作った人間が悪いのだ。
旧作品のほうが、主人公が幼く無力で、なかなか周りの大人が気づいてくれないもどかしさがあった。
今回の作品にはそういう部分がなかった。