PCは起動に時間がかかるし、終了も面倒である。デスクトップPCはともかく、ノートパソコンが小さくなり、持ち運ぶ人も増えてきたが、起動終了は面倒極まりない。
MicrosoftはVistaの頃からシャットダウンではなく、スリープや休止状態を使えといい出してきた。当時のハードウェアの性能からはVistaというOSは重く不評であった。
不評なOSへの乗り換えは遅れ、次のOSのWindows7へとなるが、多くはXPのままであった。サポート終了してから5年にもなろうとしている今もXPは一定のシェアを占めている。
Windows7の頃の話で今も現役でバリバリ使っているPCが多いと思う。XPのときよりも更に強引にWindows10へのリプレースを迫るMicrosoftというイメージが有る。
XPの時でもWindows7に乗り換える人が多かった。あえて評判の悪いWindows8や8.1に乗り換える意味はないという判断だったが、妥当だと思う。インターフェースが変わったとはいえXPとさほど変わらない。いや、当時はそれでも使いにくいとか言う声もあったが、後発のOSのWindows8/8.1と比べると古い（こなれていた）7へ避難した人たちが多かったのも当然か。
Windows8がスタートボタンがないとかタイル画面が邪魔とか散々言われ、それらを修正したものがWindows8.1とも考えられるが、根本的なところでは全く異なってしまった。
Microsoftアカウントというものを半強制的に使わせる仕様であったり、起動終了が速いというのは実は完全にシャットダウンしていないという「だまし」であったりとか。
OSの占有率の高さで嫌なら使うなというMicrosoft様には逆らえず、みんな使わざるを得ない。まさか全部をMacやLinuxにするわけにも行かない。OSが起動さえしてしまえば、大方の人が使うであろうOffice、とりわけExcelが使えるのならそれでいいと言う人もビジネスでは多いのではないか。
いろいろとMicrosoftも考えているんだなあとは思う。MicrosoftとIntelとがガッチリと手を組んだWintel時代。WindowsXPの時代である。その位置にあぐらをかいていたわけではないと思うが、凹んでいたAppleがジョブズを復帰させてからはiPodに始まり、革命的ともいえるiPhoneを発売し、世の中は変わってしまった。スマートフォンが主役になり、PCはITのシーンでは徐々に衰退していると思う。それに合わせるかのように日本のPCはメーカー、携帯メーカーは散々な状態に。今や日本でPCをまともに作っているメーカーなんてあるんだろうかと思う。携帯電話も悲惨である。スマートフォンが出る前は日本の携帯電話メーカーは世界のトップを走っていたのにわずか10年ほどで完全に終わってしまった。行政側の責任もあるがそれを許してきた企業、経済界にも問題があると思う。
余計な話になった。もとに戻す。スマホによって様変わりしたIT界で復権を目指すMicrosoftは強引な手段でPCとモバイルとを抱き合わせてきた。Windows8のタッチインターフェースもそう。Microsoftはハードウェアメーカーとしてその理想とする姿のPC、Microsoftサーフェスを発売。当初は散々な評判であった。iPhoneとiPadで隆盛を誇っていたAppleからも小馬鹿にされたようなコメントもあったように記憶している。
散々な評価ながらビジネスシーンではやはりPCは必要であり、Windows、PCが別のものに取って代わってしまうということはなかった。
世間の評価はともかくMicrosoftは後戻りしない。MicrosoftストアでApple StoreやGoogle Playを目指し、スマートフォンやタブレットのように常時通信しているものを目指す。前者はUWPであり、後者はConnected Standby、Instant Goと名前や機能も変わってきたが、Windows10ではModern Standbyとして押し付けだしている。
Windowsのシャットダウンにはいろいろあるようだが、昔ながらのシャットダウン（完全シャットダウン）が最も安心できる。スリープも休止状態も復帰に失敗することが皆無ではない。それ以上にモダンスタンバイは怪しすぎる。 Instant Goで大失敗しているのに懲りていない。Microsoftはいいかもしれないが、購入したユーザーは大迷惑である。その仕様に合わせてハードウェアを作るメーカーも大変だと思う。とりあえずトラブルはあるものだと思う。せめてその機能を殺して旧来のPCとしての動作ができるような逃げ道がないと大変なことになりそう。
そうInstant GoのPCのようにね。
