悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

桐島、部活やめるってよ

日本の映画賞を総なめにしたということで借りてきてみた。
邦画なので過度の期待は指定なかったのが良かったのかもしれない。
それなりに楽しく見れた。仕掛けも何もない。お金もかかっていない。普通の地方都市にありそうな高校でのドラマである。
タイトルにある桐島が主人公と思っていた。一体いつ出てくるんだ、どんな奴なんだろうと思っていたが、ついに最後までタイトル名にまでなっている桐島は出て来なかった。
誰が主人公ということはない。一応神木隆之介が主演なので映画部の前田が主人公なのだろう。それと桐島の親友である菊池宏樹が中心に物語が進む。
高校生活、もう遠い過去の話。そこには運動部、文化部、帰宅部があり、とりあえず何処かに所属している。
桐島は運動抜群で人望もある学校のスターと言う設定。(登場しないけど)
そして菊池宏樹はその親友という設定。帰宅部だが、野球部にも一応所属している。運動神経がよく、男前で彼女あり。彼を中心にして二人の男子生徒が帰宅部
その帰宅部男子と対になっているのが女性の帰宅部。菊池の彼女が中心メンバーだが、学校ナンバーワンの美女は桐島の彼女リサ。そしてその帰宅部と微妙な関係にあるバドミントン部の女子二人。
一方運動部は桐島がキャプテンだったバレー部。強豪のようである。その中心選手の久保は桐島が部活をやめて弱体したことにイライラする。一方桐島と同じポジションだった小柄な少年は試合に出れることになったが風あたりが強くなる。
同じ体育館を使うバドミントン部。先ほどの二人の部員のうち一人は素質があり、一人は努力が報われないタイプ。彼女は桐島の控え選手に同情する。
一方、運動部の片隅に追いやられている映画部。ものすごいオタクたちの溜まり場。彼らは何も悪くないが、もちろんモテない。そして運動もできない人たちである。
文化部でもブラスバンドは本格的らしく、いたるところでブッキングしてしまう。
登場しない桐島だが、彼が部活をやめたことによっていろいろな人が影響を受ける。学校のスターというものはそういうものかとも思うが、桐島がいてもいなくても何も変わらない映画部の連中もいる。そういう対比を楽しむ映画で本当になんの仕掛けもない。
わずか1週間くらいの出来事を描いているが、時間を前後させて違う角度から同じ時間を描くなど工夫している。そういうところが評価されたのだろうか。ジャック・バウアーの24時間シリーズみたいなところか。

学校内カーストではないが、運動部にも序列がある。もちろん強豪が幅を利かせる。この学校ではバレー部ということか。野球部は弱小。ほとんど顔を出さない菊池にキャプテンが試合に出てくれないかと頼むなどショボすぎる。
文化部でも先程のブラスバンドの部長の一言が強烈だった。「遊びじゃなくて真剣にやっている」というようなニュアンス。ここまで密かに菊池に心を寄せていた仄かな恋を応援する気持ちが霧散した。

ここに登場する人間の好き嫌いでは帰宅部連中は好きになれないだろうなと思う。
特に女子。ナンバーワン美女はたしかに可愛い。そしてその友人もそれなりに可愛いが、性格がチョトとなあ。それを知ってか表向きは仲良しを演じているバドミントン部の二人も微妙な距離を置いている。女子って難しいわ。
今はラブラブで幸せいっぱいを感じているだろうが、間違い無く宏樹の彼女は捨てられるだろうと思う。何故付き合っているのかよくわkらない。女子にとっては人気者の宏樹と付き合っているというのは一種のステイタスなんだろうなあ。

しかしこの作品が国内の映画賞を総なめにしたというのはちょっと違うだろうと思う。悪くはないが、この作品にそこまでの価値が有るだろうか?やっぱり日本の映画はたいしたことないなあとも思う。


桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)

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