悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

神様からひと言 萩原浩

非常に面白かった作品。
今から2年ほど前に読んだ。当時も今も同じような仕事をしている身としてはなんとも言えない気持ちにもある。まあ、設定も年齢も随分と違うので単純に比較はできないが、リストラ収容所と呼ばれている「お客様相談室」とは非常にきつい言葉だと思う。まあ、それくらいクレーム処理というのは掃き溜めのような仕事ということなのかもしれない。
「お客様は神様」とあ「クレームは宝の山」なんてきれいごとを言っている人にはずっとクレーム処理を継続してやってくれたら良いと思う。続けられるものではない。本当に辛いものである。クレームを言う方も言われる方も相当なエネルギーを要する。
クレームにもお客様に言い分のあるものもある。とはいえ、全てお客様の要望を叶えていてはこのような仕事は務まらない。
一方、落とし所のないクレームもある。聞いているだけで進展なし。提案できることもなく、どうしようもない。誰がやってもどうすることもできない内容もある。
こういう部署でお客様より先に電話を切ることは基本的にはないが、いくら話をしても意味が無い場合は、切ってしまってもいいと思うのだが…。

いずれにしてもこういう小説を読むと「もう少しがんばろう」という気持ちにさせてくれる。

神様からひと言 (光文社文庫)

神様からひと言 (光文社文庫)

  • 作者:荻原 浩
  • 発売日: 2005/03/20
  • メディア: 文庫

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