悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

しゃばけ 畠中恵

江戸時代を舞台に体の弱い廻船問屋の若だんな一太郎と彼をとりまく妖(あやかし)、つまり妖怪たちが繰り広げるファンタジー小説
出だしは意味不明で読みづらかったが、読んでいくうちに描かれている人情話などが面白く、ついつい睡眠時間を削ってまで読んでしまった。
主人公の若だんなはこういう作品に登場する人物としてはあまりに場違いな感じ。体が弱く、両親からも甘やかされて育ってきた。更に創業者の祖父から直々に若だんなの身の回りに世話を仰せつかっている二人の手代、佐助と仁吉にも手厚く見守られているという状態。事件の中心人物として江戸の街を騒がせている不可解な殺人事件を後々真相を突き止めていく。ちょっとしたことで死にかけるほど体が弱いが、それでいて非常に人望があるのか、みなから愛されるキャラクターというのがよく出ている。機知に富み、情も厚い好漢である。
たくさんの妖怪たちが登場する。いわば和製のハリー・ポッターという感じもしないでもない。
面白かった。
子供向けではないが、子供が読んでも全然構わない内容。

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

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