すでに惰性で読んでいるような気がする。
毎度、出来過ぎな話の連続。高校を卒業して実家の果物屋を手伝う傍ら、タウン誌にコラムを書いている主人公のマコト。
少しは成長したようにも思うが、やっぱりあんまり変わっていない。
タイトルになっている「骨音」はちょっと嫌な話。音にとりつかれたロックバンドの音のプロデューサーの暴走。話の流れは悪くないが、あまり面白くない。
「西一番街テイクアウト」は本好きの少女とどうしようもないような彼女の母の話。娘を持つ身ながら、体を売ることしかできないどうしようもない女だが、性根は悪くない。なんとも不思議な女性。そしてちょくちょく登場するマコトの母も大活躍。そしてGボーイズの王様タカシと暴力団のホープのサルも活躍。結構面白かった。
「キミドリの神様 」は池袋界隈で使われている地域通貨の話。なんだか以前どこかの政党が推し進めていた地域振興券みたいな気もする。話の内容は悪くない。結末も良かった。
ラストの作品は「西口ミッドサマー狂乱(レイヴ)」。いつもこのシリーズは最期にメインを持ってくる。今回もこれがメインという気がする。ただし、内容はドラッグであり、音の祭典、レイヴである。派手な内容とは裏腹に話はちょっとまとまりがないような気がする。登場人物もますます奇抜な人間たちが集まっている。私にはわからない世界だし、分かりたくない。
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/09/03
- メディア: 文庫
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