悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

妖怪の子預かります 廣嶋玲子

 Kindle Unlimitedにて読んだ。
面白いので通勤の合間の時間だけでなく、自宅でも読んでしまい、その日のうちに読んでしまった。
作者のあとがきでもあったように、妖怪といえば水木しげるで、リスペクトしているとのこと。

按摩屋の美男子「千弥」とその付き人の少年「弥助」が江戸の長屋で暮らしているが、ちょっとしたことから「弥助」は妖怪に罪を問われ、償いとして妖怪の子供預からなければならなくなった。
登場する妖怪たちはみんな変わった者たちだが、どこか憎めないところがあり、可愛らしい。
「千弥」が幼い頃保護した子供が「弥助」で、はたから見れば親子ではないし、兄弟にも全く見えない。
千弥は非の打ち所のない顔立ちをしている美男子だが、人を寄せ付けない雰囲気がある。按摩を生業としているように目が見えないが、目が見えないことを苦にする風もない。一方の「弥助」は話ができない。唯一話ができるのが養い親である「千弥」だけである。
登場人物はそれほど多くはない。人間は「千弥」の常連客と長屋の遊び人「久蔵」くらいしか出てこない。
妖怪はそれこそ個性豊かな面々が登場する。
冒頭で著者が自ら書いているように心温まるお江戸妖怪ファンタジーという表現がピッタリの作品である。

 

 

 

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