前作の「魔導の系譜」を読んでから随分と時間が経つので忘れている部分もあるが、レオンとゼクスの登場で一気に盛り上がった気がする。
やはりシリーズ物はそういうものなのかもしれない。
まだ2作しか読んでいないが、佐藤さくらさんの本は大変読みやすい。
魔法使い、この物語の中では魔道士と呼ばれる人たちが中心の話だが、偉大な魔法使いというよりはその偉大な力を恐れられ、忌み嫌われているという存在になる。
前作は大きな戦争があり、そのシーンは派手であった。しかし全体を通してもそういう部分よりも地味な話が中心。にもかかわらず読者にじっくりと読ませる。人間の描写がなかなか良いのである。
こういった類の物語はそのあたりが希薄なのだが、このシリーズはなかなか良くできていると思う。
今作は戦争そのものがない。地味といえば地味だが、それだけに平和のために迫害されてきた魔道士、魔物棲みと呼ばれる人たちの悲しい物語である。
前回はセールで購入。今回はKindleUnlimitedにて。
