悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ジーキル博士とハイド氏  スチーブンソン

あまりにも有名な作品だが、原作は読んだことがなかった。だからストーリーというものもだいたいわかっていたつもりでいたが、実際に呼んでみるとただの娯楽小説として片付けるにはあまりに惜しい作品だと思う。
人間の持つ善と悪、心のなかに住み着く天使と悪魔。それをどうバランスを取るか。この主人公のジーキル博士はまさに善人の鏡のような人だが、やはりそれだけに深い所で悪を持っていたというものである。莫大な財産と類まれなる才能を持ち、誰からも尊敬される存在。そんなジーキル博士にも心の闇がある。そして彼が創りだした薬品によって、人格も体格も別人になってしまう。
最初は変身したハイドは邪悪ではあるものの弱い存在だった。それがだんだん強くなり、ジーキルは彼を出さないようにしようと試みる。しかしだんだんそれが難しくなり…。
友人に当てた手紙が後半の部分だが、そこに博士の苦悩が描かれており、私が想像していた怪人ハイドの殺人など悪行ののシーンなどはほぼ出てこない。

いろんな所でこの作品も模倣されていると思う。薬品を使った変身というアイデアも素晴らしいが、単なる変身ではない、その深い理由に感銘を受ける。

ジーキル博士とハイド氏 (新潮文庫)

ジーキル博士とハイド氏 (新潮文庫)

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