かなりグロい表現がある。設定が女刑事と言う点も、またこの女刑事の過去や実行犯の暗い過去などももう少しひねりが欲しい。ミステリーとしての仕掛けの奥行というものはあんまり感じられなかった。美人女刑事と言う点でまずリアリティが損なわれているところもある。またストロベリーナイトなる殺人ショーと言うのもありがちで陳腐な設定だったのでは。文章自体は平易で読みやすいが、主人公の女刑事の過去を考えるともっと男性不信になっていいとも思えるし、男の世界である警察に入ってバリバリ活躍するなんて事自体がおかしい。またそんな人物が部下の男性刑事との色恋沙汰もリアリティに欠ける。
と批判ばかりしているようだけど、グロさゆえのホラー度は高く、ついつい読んでしまうような中毒性のある小説かな。ちょっとスプラッター映画に慣れた方には物足りないくらいかもしれない。これにエロさがあればほとんど勝目梓バリの官能バイオレンス小説といったところか。
本格派のミステリートしてはもの足りず、グロい表現はダメと言う方にもお勧めできない。という点から読み手を選ぶかもしれない。
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/09/09
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 75回
- この商品を含むブログ (178件) を見る