本格ミステリ?と言うよりはライトノベルのような(何をさしてライトノベルというのかわからないけど)テーストの小説。
読みやすくサクサクと進むが、どんでん返しを含めてやや強引な感じ。
エンディングもひねり過ぎでしっくりこなかった。
アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」という小説を題材にした演劇をお嬢様学校である天川学園の記念式典で行う。
原作と同じように演劇部の演ずる生徒が次々に殺されるというストーリー。
最初のひねりで止めておけばいいのに、最終的にもう一捻り入れることによって、この小説で訴えたかったことがぼやけてしまった。
そもそも真犯人の設定も少しそれまでの伏線から無理があるし、真犯人をおびき出すために別荘に呼びつけるという設定自体があまりにも無謀。
途中までは良かったが、そのあたりからなんだかグダグダ感が半端無かった。
そして最期には生き残った生徒による刑事の過去に対する脅し。
色々と書きすぎて何が何だか分からないと言うかぼやけてしまったのが残念。
もっとミステリとして絞り込んで書いて欲しかった。
まあ、こんなものか。
- 作者: 今邑彩
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/04/01
- メディア: 文庫
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