悪魔の尻尾

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電話が嫌いなのに、どうしてコールセンターで働いているのか?

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コールセンターというところで、お客様と話をする仕事をしていながら、今更思うところがあります。

電話で会話するのって、昔から苦手だったこと。
中学生くらいの頃から、電話での会話が苦手でした。

電話を受けたり、かけたりすることはありますが、普段から友人に電話をすることもないですし、電話がかかってきても、あまり嬉しくはないタイプです。

必要があって電話をしてくるのは良いのですが、よくある

「久しぶり~、どうしてた?元気?」
というとりとめのない長電話はとても苦手な人間なのです。


そんな人間がどうしてコールセンターで仕事をしているのだろうと思います。

 

 


どうしてコールセンターで働くようになったのか

簡単に言うと、失業して、他に仕事がなかったからです。

とまとめてしまうと話が終わってしまいますので、少しながらこれまでのお話をしますね。

家業でのほほ~んと仕事をしていた人間でした。
そして、家業を廃業することになり、とりあえずどこかで働かないといけません。
妻も子供もいます。
とりあえずは家族を養うためにも働かざるを得ません。

いくつかの仕事を転々としたというほどではありませんが、収入の水準はともかく、安定していると思っていた会社に就職しました。
給料は安いのですが、ある意味気楽な会社でした。
しかし、その会社で仕事を覚え、会社の風土にもなれてきた4年目のことでした。
会社に出社してみると貼り紙がありました。
倒産です。

「え?」

思わず声に出していたのかもしれません。

何も取り柄のない会社でしたが、安定しているということだけが良さだと思っていたのです。

倒産騒動があっても、会社の整理で1ヶ月は給料が出ると言いいます。
数日間は会社に顔を出しましたが、こんなことをしていても意味がないと思いました。
つぶれた会社の整理をするって、虚しい作業です。

またしても求職活動に戻りました。

そして今の会社に入るのですが、実は今の会社で一度働いたことがありました。
不義理をしたわけではないですが、あまりに待遇が悪いので、やめざるを得なかったというのが離れた理由です。

そこにまた戻るというのは情けない話ですが、背に腹は変えられません。
今では感謝はしていますが、仕事を選んでいられない。
会社の指示には従うほかありません。

そうして放り込まれたのが、某メーカーのコールセンターでした。

コールセンターという業界

 

私と同時に入った新人は10名以上いたと思います。

若い人が多い中、私はすでに完璧に中年でした。
研修の講師よりも遥かに年上で、やりにくかったと思います。

 そこではとにかく何もかもはじめてなので、何とかついていこうと必死でした。
研修を1週間ほど受け、ロールプレイングを何度かやったあとは、GOサインが出て、デビューします。

コールセンターのオペレーターとしてデビューして1ヶ月ほど後。
次の新人がまた大量に入ってくると言います。

そしてその新人の研修担当をしろと言われるのです。

ここでも思わず

「え?」

と声が出たかもしれません。

「コールセンターって怖い」

と心から思いましたね。

デビューして1ヶ月の新人が新人を教育するのです。
ありえなくないと思いませんか。

でも段々と馴染んできます。
そういう業界なんですね。

その後もSV候補として入ってくる人はいました。
私と同じく、それほど長くオペレーターとして活動しません。

 

その後、この現場を離れました。
事務所で少しの間過ごしましたが、次は、大手通信会社のコールセンターに行くことになりました。
そちらは1年少々お世話になり、その後、今の現場となりました。

今の現場では、しばらくは最前線で戦うオペレーターとして働きました。
2年ほどはしゃにむに頑張ったという実感があります。

その後はやはり、新人の面倒を見たりしながら、やはりコールセンターで働いています。

 

コールセンターの仕事

お客様への対応はもちろん大事なのですが、色々なお客様がいます。
楽しく会話できて、お客様に喜んでもらえる対応ができたら、とても嬉しいハッピーな気持ちになれる仕事です。

その反対ももちろんあり、一方的な攻撃を受けても反論できず、耐えるしかない。
そういうシーンもたくさんあります。

それに耐えきれずにやめていく人をこれまでも見てきました。
自分でも「やめてやる」と思ったことは何度もありますね。

今も電話に出ることもありますし、慣れたといえば、慣れましたが、電話を受けるのが好きか?と聞かれると
「嫌い」と答えると思います。

でも嫌いでも、苦痛で苦痛で仕方がないという仕事ではありませんし、長い間この仕事に取り組んできましたので、やはり慣れというのが大きいのかなあと思っています。

 

お困りのお客様の話を聞いて、改善につなげて、「お礼」を言われることが一番嬉しいです。
仕事はお金ではないといいますが、もともと、この仕事に対しては、お金にしか意味を見いだせなかった人間です。
嫌々、渋々、電話対応をしてきましたが、お客様の喜ぶ声が何よりも嬉しいという実感はものすごくありますね。

 

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