悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

高齢者が集う、スマートフォン教室

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女房とランチへ出かけてきた。

贅沢なレストランとかだと格好いいのだが、とても庶民的な「珉珉」という中華料理屋、いや餃子屋さんか。

 

 

 

スマートフォン教室

目的の「珉珉」あべののショッピングモール内にある。

そこに行くときに通り過ぎたのだが、「スマートフォン教室」と書かれた立て看板のようなものがあった。

ちょっと興味があったのでどんなものかと除いてみようと思ったが、お腹の減っている女房を待たせるわけにもいかない。
それにそのショップはドコモ専門店であった。

スマートフォン教室の申込みをする場所と思っていたら、その狭いブースがスマートフォン教室であった。

当然ドコモのユーザーでもない私が割り込んで話を聞いてよいわけがない。
いや、教えてもらうというのではなく、どんなことを高齢者に教えているのか興味があってね。

あらまあ、こんな手狭なところで~と思っていたが、考えてみれば、パソコン教室と違って、机はいらない。
椅子だけあれば事足りるのである。
そういう部分でもスマートフォンは優れているよね、と心のなかでつぶやく。

受講生?と思しき人達を見ると、ものの見事に高齢者であった。
私も若くはないが、電車で前に立たれたら、椅子を譲るくらいの年齢の方たちである。
スマートフォンを勉強したいという気持ちのあらわれであろう。

中高生や大学生といった若い人たちスマートフォンの使いっぷりというのは凄い。
正直言って、私もついていけないのである。
娘や息子もスマートフォンを使っているが、私の関知するところではない。

話はそれた。
高齢者もガラケーではなく、スマホの時代である。

アクティブな高齢者が増えていて、そういう人たちはスマートフォンを当たり前のように使っている。
当然当たり前のように使えない高齢者もいるが、老人会や近所の挨拶などで、当たり前のように使っている人を見て、刺激を受けたりするんだろう。

自分だってスマートフォンを使いこなしたい

と。

 

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高齢者向けのスマホ

そこでそういう巨大かつ広がる可能性のある市場を放っておく手はなく、各社高齢者向けの機種などを販売しているようだ。

高齢者向けといえば、富士通の「らくらくパソコン」や「らくらくスマホ」といったものが一番最初に思い浮かぶが、色々出ているうようだ。

ドコモは今の「らくらくスマホ」という名前。
やはりメーカーは富士通のようである。

auは「かんたんスマホ」というネーミング。
京セラ製の機種のようである。

そしてソフトバンクは「シンプルスマホ」という名前で販売。
メーカーはシャープ。

大手3社以外にもサブブランドやその他のキャリアなどでも高齢者向けを販売している模様。

狙い目としては悪くないと思う。

で実際に売れているのか?というと、そうでもない。

高齢者だからといって、簡単と言われるスマホを使っている人はやっぱりこういうものが苦手という意識があるのか、使いこなしている人に出会ったことがない。

実母が80歳前になるが、やはり全く使えていない。
今、初めて持ったのではないのだが、全然使えていない。
使う理由がないというのもあるのだが、娘や孫とLINEがしたいということで、LINEは設定したものの、全く使えていない。
使う気もあまりないようで、やはり電話ができればいい。
最近ようやくメールがちょこっと使えるかどうかというレベル。
ネットに繋がっているというありがたみはまったくないようである。

 

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アクティブに使う高齢者

その一方で、アクティブに使いこなしている高齢者もいる。
60代、いわゆる団塊の世代の方たちは、ついこの前まで現役だったので、パソコンはある意味得意な人もいる。
まあ、全く苦手な人もこの世代にはたくさんいるのだが、その差が激しい。
ラカンや50代でもその傾向はある。

そんなモノなくても不自由しないと言い切る人はスマートフォンなんて不要だろう。

やはり世間で話題になることや新しいもの、若い世代との興味を共有するためにはスマートフォンの一つくらいは使えるようになりたい。

このように考える人はどうにかして覚えていくようだ。

60代、70代という年齢ではなく、気持ちの持ち方。
何よりも若い世代と話題をともにしたいという気持ちが大事なのかな?と感じるのである。

そしてこういったアクティブな高齢者はやはり生活苦というものとは無縁で、「ゆとり」のある老後を送っている方が多い。

そういった方々は、高齢者向けのスマホではなく、利用しているのはiPhoneである。

iPhoneを見事に使いこなす高齢者たちは、iPhoneのカメラで写真を撮ってSNSにアップしたりしている。

使えない高齢者達から見れば、羨望の眼差しなのだろう。

高齢者向けの定義

そもそもメーカーやキャリアが考える高齢者向けという定義も怪しい。
お年寄りだから目が悪く、大きな文字が表示できなければいけない。
簡単に使えるようにしておかなければならない。

提供者側の立場で言っているんだよな。

スマホがただ簡単に使えればいいというものではない。
スマホスマホとして価値のある商品となるためには、「自由」が必要なのに、その「自由」を奪ってしまっている。
まあ、高齢者向けスマホでも同じようにできるが、圧倒的に情報が多いのはiPhoneだから、本当の意味で高齢者向けというのはiPhoneなのかもしれない。

 

高齢者とスマホ

というわけで、餃子を食べに行ったときに見かけた高齢者スマホ教室にちょっと気になったことを書いてみた。

提供者側が高齢者をこんなものだと決めつけているフシが強い「高齢者スマホ」。

確かに高齢者の声もあると思うが、お客様のお声をすべて商品に反映していては商品開発なんてできない。
スティーブ・ジョブズも言っていたように、「顧客に欲しい物を聞いて、それを提供するだけではダメ」ということ。


それがiPhoneの成功につながったことは間違いない。

そしてiPhoneは世界中で大ヒットし、特に日本ではずっと高いシェアを維持し続けている。

安くはありませんが、多くの人が使っているという安心感。

iPhoneなら使える人が多い。
iPhoneの使い方は本や雑誌もたくさんある。

なので高齢者にとって使いやすい、使いこなしやすいスマートフォンはやはりiPhoneであり、提供者が決めたような商品ではないということ。

 

個人的にはiPhoneユーザーではなくなってしまっていますし、今後戻る予定も今のところない。
でもモノとしての美しさは常にあるし、一番わかり易い=情報が多い、スマートフォンであるのは間違いないところ。

 

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