悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

DQNネーム、キラキラネーム?

週刊ポスト2011年9月30日号より


学習塾塾長「月」君を「ルナ」と読めず以後名前を読まぬ決断

「光宙」と書いて「ぴかちゅう」と読ませる親がいる時代。なかには悪、魔、殺、犯、罰、糞、尿などを届けてきた人もいるという。そんな時代の子どもの名前にまつわるエピソードを、作家の山藤章一郎氏がリポートする。

* * *
 以下、近ごろの子どもの名前。

男の子――大翔、悠真、翔、颯太、歩夢、颯真、蒼空、優斗。
女の子――さくら、陽菜、結愛、莉子、美桜、美羽、葵、結衣。

 いずれも「明治安田生命調査」による、去年2010年度、全国で新生児の名前の多い順8位までである。強調しますが、特別な調べの、限られた地域の名前ではない。
この名を正しく読める人はどれだけいるか。

〈悪魔〉くんは、同じ音で字を替えて決着した。歩夢、結愛は、どうですか?小平市の学習塾の女性塾長に読んでもらおうとした。初めから断られた。「おそらく正解できません。月と書いて、ルナと読ませる男の子がいて、以来、自分の判断で最近の子の名前は読まないことにしています。結愛という名の子が、4人いました。全部、読み方が違う。

 ふりがなを振って覚えたのです。〈ゆいあ〉〈ゆいな〉〈ゆあ〉〈ゆめ〉〈愛〉は〈あい〉であって〈あ〉とは読めませんのに」


引用終わり


名前をつけるのは一度だけ。本当に変な名前が増えた。個性というのは名前にあるのではなく、個人の質にあるものだが、名前をつける親には個性的な名前を付けたがるが、名前だけが浮いていて、付けられた子供たちは本当に可哀想だと思う。

我が家にも子供が二人いる。娘と息子である。どちらも名前は悩んだ。というのは嘘で、あんまり考えなかった。でもいい名前をつけてもらおうと、命名の先生につけてもらった。それでごく普通の名前になった。
私も若く、子供には素敵な名前をつけてあげようと思ったこともあったが、一生背負う看板のようなものである。人から馬鹿にされたり、自分の名前がうまく書けなかったりするのは辛い。いろいろ考えると自分で付けられなくなったというのが正直なところかもしれない。
無責任なようでも、つけてもらった名前も結局決めたのは自分たちである。それで良かったと思う。子供たちはどう思っているのかわからないけれど、私や女房の親たちもそれほど違和感なく接してもらえていると思っている。
娘の学校や息子の同級生の名前も概ねふつうのものが多いと思うが、明らかに私が子供の頃の名前とは違う。
私が子供の頃でも太郎や花子はいなかった。しかし男子なら下に「夫」や「雄」がついたり、女子なら「子」や「美」が多かったが、最近はめっきりいないようである。
代わりに「翔」や「悠」、「颯」、「蒼」、「葵」、「菜」「夢」などの文字が増えたように思う。
まあこれらの感じをあてがうことに異論は特別無い。名前らしいのであればそれでいいと思う。しかしピカチュウやルナ、騎士と書いてナイトなんてライトノベルや漫画の登場人物どまりにしてほしい。子供に付ける名前ではないと思うが、あんまり後先考えないんだろうね。
付けられた子供は大きくなってきっと嫌な思いをしていると思う。子供はペットではない。もちろん大きくなるまでは親が責任をもって面倒を見ないといけないが、一人の人間として育てないといけない。おもちゃではない。
こういうDQNネームは就職にも悪影響とか。そりゃそうだろうなあと思う。こういう親にありがちな傾向を考えると、できるだけ避けたいと思う。こういう親は学校でも警戒されているのではないだろうか。

学習参観で子供が将来総理大臣になって、将来変な名前を付けられない法律を作るという話をどこかで読んだが、まさにそのとおり。付けられた子供は本当に迷惑していることだと思う。


「人の名も、目慣れぬ文字を付かんとする、益なき事なり。何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。」〜 吉田兼好徒然草

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