悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

水車館の殺人 綾辻行人

引き続き、綾辻行人の作品を読んだ。

やはり、これでもかっ!ていうくらいのありえない設定の世界で繰り広げられる。

前回の「十角館の殺人」よりはミステリーの要素は薄かったような気がする。

前の作品も、犯人は一番わかり易いのにうまく隠されたと書いたが、この作品もそうである。


事故で見難くなった顔、それを覆い隠すために着用している白いデスマスク
主人公の藤沼紀一は交通事故で足の機能を失い、車椅子の生活。
さらに現代医学を以てしても再生することがかなわないほど失われた顔。
ここ、水車館は父親の美術品と本人の事業の成功で気づいた富を手に隠棲するために作られた館。
非常に贅沢で変わった建物である。設計したのは天才?鬼才?の建築家中村青司。
そこに住まわせているのは外界を知らない幼き美少女の藤沼由里絵。
忠実な執事の倉本庄司。
仕事熱心な家政婦、根岸。
外界との交わりを絶っている藤沼であるが、父藤沼一成の絵画をこよなく愛するものが年に一度、
この水車館を訪れ、普段目にすることができない藤沼一成の美術品を見ることになっている。
紀一の友人で水車館に居候中の正木。
声の大きな美術商の大石。
美術史の教授の森。
ハンサムな外科医の三田村。
藤沼家の菩提寺の副住職である古川。
そして古川の知人でもある島田潔。前作にも登場。

謎めいた世界で起こった殺人事件。
それから1年。亡くなった人を除き、同じようにして集まった者たち。
家政婦の根岸の転落事故?他殺?
一成の盗まれた絵画と共に姿を消した古川。
古川を追いかけて殺された正木。

主人公の藤沼紀一が語る言葉が現在と過去を行き来する。
すでにそこに貼られている言葉のトリックに騙される。
が、怪しい人物といえば・・・・。


すんなりとのめり込めるのであっさりと読める。
これも面白かった。

水車館の殺人 (講談社文庫)

水車館の殺人 (講談社文庫)

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