悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ランボー ラスト・ブラッド 前作で終わったほうが良かった映画

シルベスター・スタローン終焉のランボーシリーズ。
初代作を見に行ったのは私が高校生の時のおよそ40年前。

考えようによっては40年もアクション映画の主人公であり続けるというのは偉大なことなのかもしれません。

 

f:id:tails_of_devil:20211207150400p:plain

 

映画の概要

監督   エイドリアン・グランバーグ

脚本   シルベスター・スタローン
     マシュー・シラルニック

原案   シルベスター・スタローン

製作国  アメリ

公開   2019年(日本2020年)

上映時間 89分

製作費  50,000,000ドル

興行収入 91,490,000ドル

ランボーシリーズについて

ランボー 1982年
First Blood

ランボー2 怒りの脱出 1985年
RAMBO First Blood PARTⅡ

ランボー3 怒りのアフガン 1988年
RAMBOⅢ

ランボー 最後の戦場 2008年
RAMBO

ランボー ラスト・ブラッド 2019年
RAMBO Last Blood

1982年から続いているとはいえ、最初の3作までは3年おきですが、その後の作品は20年ぶり。
そのタイトルも最後の戦場となっているので、「ランボーのラストの戦い!」
であるはずでした。

さらに10年以上経過してのこの作品ということになります。

 

 

tails-of-devil.hatenablog.com

高校生の時に見に行きました。
この映画は好きで、2回劇場で見ましたね。
ガールフレンドと見に行った思い出もある映画でした。

 

tails-of-devil.hatenablog.com

この映画もヒットしましたね。
私は初代作品のほうがずっと良かったのですが、こちらのほうが派手で高い評価をしている人もいました。

前作の「ランボー 最後の戦場」はこの映画と非常に近い感じの作品でしたね。

 

あらすじ

冒頭のシーン(つかみ)では山で遭難している人を救助するランボー
ボランティアで警察にも協力し、追跡の名人とされています。

彼は今、馬を調教したりしながら、平穏に牧場で働いています。

この牧場には若い娘とその祖母が暮らしています。
ランボーは貴重な男手としてこの牧場の運営に携わっているのです。

若い娘はガブリエラ。
彼女の父であるマヌエラは母子を残して失踪。
母は死去しているため、祖母のマリアと暮らしているのです。

マリアはランボーを家族同様、孫のガブリエラの父親代わりとして信頼をおいているのでした。

この牧場に来たときには幼かったガブリエラも成長し、彼女も大学へ進学することになりました。

輝かしい未来を見つめる彼女にとっての気がかりは父のこと。
彼女は旧友のジゼルを通して、父の居場所を突き止めるのでした。

ろくでなしの父親に会いに行くことをランボーは引き止めます。
それ以上に祖母のマリアは素行の良くないジゼルと会うことを激しく反対するのです。

ガブリエラはその場を繕って、祖母とランボー言うとおりにしますが、こっそりをメキシコにいるジゼルに会いに行き、父との面会を果たしますが、父のマヌエラはまったくもってろくでなしの男なのでした。

父に見捨てられたガブリエラの心のすきを突いて、ジゼルは彼女を地元のマフィアに売り渡してしまうのでした。

メキシコのこの町を牛耳るのは、兄のウーゴ・マルティネスと弟のビクトル・マルティネスのマルティネス兄弟。

兄のウーゴは大物マフィアのドン・ミゲルとも付き合いがあります。

一方弟のビクトルは女をさらって、売春させることを生業とするクズどもでした。

 

ランボーはマリアから孫のガブリエラがいなくなったことを伝えられ、彼女の身に異変があったことを知ります。

マヌエラ、ジゼルを訪れ、ジゼルがガブリエラを売ったことを突き止めるのです。

ジゼルがガブリエラを連れて行った酒場に行くと、そこにはガブリエラをさらった男がいるのでした。
ランボーたちの一連の動きを見ていた一人の女がいました。

ランボーはその男を追い詰め、彼らのアジトへ向かうのでした。

アジトでは「よそ者」の老いた男であるランボーを袋叩きにしました。

弟のビクトルはランボーを殺してしまおうと提案するのですが、兄のウーゴはランボーにさらなる絶望感を味あわせようと考えたのでした。

 

酒場からランボーをつけて来た女性は倒れていたランボーを救出し、治療します。

ランボーは意識を取り戻し、救ってくれた女性に礼を言います。

カルメンと名乗る女性には妹がおり、マリティネス兄弟によってひどい目にあって殺されたことを告げられます。
しかしながら彼らに楯突くことはできないというのでした。


ランボーはマルティネス一味が経営する売春宿に急襲し、ガブリエラを発見、救出します。

しかしガブリエラはすでにひどい状態になっていました。
暴行を受けた上に顔をナイフで切られ、更には大量の麻薬を投与されているのでした。

牧場へ戻る前に彼女は息絶えてしまうのでした。
悲しむマリアにこの牧場を離れるように告げ、ランボーは娘のようにかわいがってきたガブリエラの復讐の計画を建てるのでした。

 

感想

ランボーシリーズとひとくくりにしましたが、初代作から40年近く経過しています。
初代作のときもベトナム帰還兵でしたから、決してティーンエイジャーのように若くはない設定です。
ただ、初期3部作の頃は戦える年齢であったのは分かるのですが、前回の作品、今回の作品で屈強な男たちと渡り合うのはいかにも無理があるような気がします。

それでも4作目の「ランボー 最後の戦場」は最強の還暦オヤジ!として私のような世代の男にとって憧れのような存在でもあり、映画の内容は相変わらずドンパチと派手でありえない強さを見せつけているのですが、どこか納得できる作品でもあったのです。

この映画に登場するスタローンは70代です。
鍛え上げられた体は素晴らしいといえども、もういいのではないかと思うのですね。

今回のヒロイン?であるガブリエラの父親代わりとなっていますが、父?祖父だろ!と突っ込みたくなるほどの年齢なのです。

 

年齢や設定はともかくも、シナリオがひどいです。

シナリオなんて関係ない、ランボー=スタローンが強くて大暴れしくれれば、ファンは納得!という人にはこの映画はとても面白かったと言えるでしょう。

しかし、映画にある程度の意味をもたせたいと考える人にとっては、つまらない映画です。
何のメッセージもありません。

そして今回の悪役であるマリティネス兄弟の仲違いにも全く意味はなく、兄のウーゴが大物マフィアであるドン・ミゲルとのからみについても全くのスルーでした。

更に言うなら、ランボーを助け出したカルメンの存在も放置です。
シナリオに登場するキャラクターがただの置物となっている感じがします。

物語の後半は、ランボーが復讐に燃えて悪役たちを殺していくのはいいのですが、スカッとするというたぐいのものではなく、悪人たちを惨殺する、惨殺ショーと化しています。
ランボー」の名を借りたスプラッタームービーとも言えるかもしれません。

前作の「ランボー 最後の戦場」が久しぶりに「ランボー」を見られて嬉しかったという「思い出補正」を計算に入れていても、良かっただけに、この作品はちょっとどうかしていると思えるような内容でした。


シナリオライターとして名作「ロッキー」を生み出したスタローンも「老化」したのでしょうか。
肉体は鍛え上げられていて、尊敬しますが、このシナリオは「鍛え方が足りない」と言うレベルではなく、とても残念です。

前作で終わっていればよかったのに、シリーズの晩節を汚した作品にという気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

Copyright ©悪魔の尻尾 All rights reserved.