悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ゴジラ キング・オブ・モンスター 地上波初放映

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2年前に息子と映画館へ見に行ってきた映画なので、別に見なくても良かったのですが、放送が始まると、やはり一緒に見てしまいました。

 

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ゴジラ映画は子供の頃とても見に行きたかったのですが、私は家族で親に連れられて映画を見に行ったという記憶がほぼありません。
父も母も映画が嫌いな人間ではないですが、仕事、生活に追われていたのか、映画館に行くということがなかったのです。
自分で映画館に行くようになったのは、高校生くらいでしたが、お小遣いではなかなかきつい。
よく見に行くようになったのは、アルバイトをするようになった大学生からですね。

息子は特撮、ヒーロー物、怪獣なんか大好きです。
アニメも実写もどちらも楽しんでいます。
もう幼い子供ではないのですが、マーベル作品も含めて、そういうたぐいの娯楽作品を中心に見ているようです。

この映画も息子は公開前からチェックしていたようで、一緒に見に行ったのでした。
原作はもちろん日本の「ゴジラ」なんですが、ハリウッド映画作品ということもあり、映像は迫力があります。
CG全盛のこの時代、子どもたちの目も肥えているので、かつての映画特撮というものが逆に懐かしい気もします。

さて、このキング・オブ・モンスターズですが、「ゴジラ」が中心なのは変わりないですが、今回ははっきりとしたライバルが存在します。
ゴジラシリーズでも最大のライバルとされていたキングギドラです。
とても巨大です。造形も見事で、首の部分の動きなどは気持ち悪いくらいです。
東宝の特撮の頃には3つの頭にそれぞれ「一郎、二郎、三郎」と名前がつけられていて、「演技指導」があったといいます。
CGには演技指導なんてものはないでしょうが、便宜上ハリウッド版キングギドラにもそれぞれ名前がつけられていたようですね。
日本の作品をリスペクトして「イチ」「ニ」「サン」と呼んでいたとか。
真ん中が長男「イチ」が中心的な役割を果たしていいます。
両隣が弟で、向かって左側(キングギドラからすると右側)が次男。
向かって右側が三男という設定らしいです。
三男坊は一度ゴジラに食いちぎられてしまいますが、驚異の再生能力で生えてきます。
もうなんでもありですね。


しかしながら、何でもありと思えるのはストーリーで、こういう映画では仕方がないのかもしれないですが、無茶苦茶強引な展開と流れでした。
壮大なスケールと予算を使って、こんなシナリオで作ってしまうところがハリウッド映画ですね。
巨大怪獣の声を分析して活用しようという試みがMONARCHという組織を中心として行われているのですが、セキュリティがグダグダです。
優秀とはいえ、お子様をフリーパスで研究室に入れるとか、テロリストが簡単に抑えてしまうとか突っ込みどころは満載です。
そういうことを語りだすとこのたぐいの映画は見ていられないので、大人げないツッコミは横においておいて、楽しむというのが正しい見方ですね。

中国資本がかなりはいっているようで、日本と中国では興行的にも良かったみたいです。
ただ世界的にヒットしたとは言いづらい作品ですね。
ゴジラ知名度は高いですが、キングギドラというのが今ひとつ人気がないようです。
日本では存在感が高いです。
映画内でも考古学者の役を演じていたチャン・ツィイーさんも、ドラゴンに対する東洋と西洋の考え方の違いを言っていましたよね。


細部に拘りを見せるのがハリウッドで、巨大なキングギドラが空を飛ぶためには、ものすごく巨大な翼が必要です。
ラドンの翼もものすごく大きく、モスラも同様に体に対して羽の面積が巨大化しています。
体も巨大なキングギドラは翼の大きさも凄まじく大きく、これまでの作品の中でも最大級ですね。
ゴジラも原作から見れば圧倒的に大きくなっていますが、そのゴジラですら小さく見えます。

 

キーとなる科学者であるエマを演じるのは、「ベイツ・モーテル」でノーマン・ベイツの母親を演じていた女優のヴェラ・ファーミガ
嫌な役回りをさせるにはピッタリの女優さんなのですが、それでもこのシナリオは酷いと思ったことでしょう。
娘が言った「ママこそ一番のモンスター」というセリフが一番しっくり来るほど、マッドサイエンティストですね。
渡辺謙さんが演じる芹沢博士は芹沢博士の息子さんという設定らしいです。
前作に引き続き、いい感じで演じておられますが、劇中で自らの命を投げ出していますので、もう次回作には登場しませんね。
まあ、原作オマージュで自由に映画のシナリオを作るためにはそろそろ邪魔になってきたのかもしれないです。


最近の映画に多いのですが、人種のバランスを考えての配役。
この映画でも白人、黒人、黄色人が不必要なくらいに意識されているのか?と思ってしまいます。
芹沢博士はともかく、チャン・ツィイーの考古学者が必要だったのかどうかは微妙です。好きな女優さんですが、後付感が半端ないですね。
そして部隊の隊長が黒人女性と言った点も少し違和感を感じました。
国連の議長も黒人だったし、その筋にとても気を使っているハリウッドですね。

 

マーベル・シネマティック・ユニバースと同じように、色んな作品をぶち込んで派手な映画を作ろうという企画があります。
MCUの成功でライバルDCコミックはDCエクステンデッド・ユニバースでスーパーマンバットマン、そしてワンダーウーマンといったスーパーヒーローたちを活躍させる作品を作っています。
同じようにゴジラをはじめとした怪獣にもバース化として動き出しています。
モンスターバースと呼ばれているみたいです。
前作の「ゴジラ」と「キングコング髑髏島の巨神」がそれに当たるようです。

 

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どのみちいろいろな作品との調整で強引なこじつけというものが出てきますので、シナリオやストーリーにケチを付けても始まらない映画です。
個人的にはそういうことには目を閉じて、楽しみたいと思っています。

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