昨日、3つの脳のお話をしました。
人間の脳は地球上で最も進化した脳です。
本能を抑え、感情に流されず、理性的な判断、合理的に考えて行動できる!
と思っていました。
実は人間って、深く考えて行動していることなんて、そんなにないのですね。
人は、その時々の感情で動いています。
そしてその行動を正当化するために、理屈(理性)をこねているんです。
こんなふうに書いてしまうと、なんだ、人間って面倒くさいやつなんだなと思ってしまいませんか?
理屈っぽい人ほど、気づいていないのかもしれません。
完璧な理論武装をしている人は、
俺は常に正しい判断をする
と自信を持っています。
ところが、このように考えている人でも、今必要がないものでも、つい欲しくなって購入したりします。
買う必要がなかった無駄なものが、いつの間にかまわりに増えていたりするものなんですね。
なんでこんなものを買ったのだろうとどこかで思っていても、指摘されると、きちんと理論的に言い訳するんですね。
かくかくしかじかの理由で買った。(だから俺は正しい)
その自分の言葉に自分も影響を受けて、正しい買い物だったと納得させているんです。
買い物だけではありません。
人間の行動はじっくり考えて行動している方が少ないのです。
本能的に反応している行動や、感情によって動かされている行動が実に多いのです。
思慮深く、「人間脳」を働かせて行動していることなんて、それほどないんですね。
人間脳はものすごくエネルギーを消費します。
そして人間脳はとてもズボラなんです。
可能な限り使いたくない。
なので、人間脳を使う「判断」をさせ続けるとすぐに疲れてしまいます。
ここがビジネスのポイントになるとされている部分なのですね。
ものを販売するというビジネスの根本の部分。
これが得意な人は、どこに行っても稼げますよね。
この人達は、人間の行動というものが分かっているんですね。
彼らは、商品の良さをアピールしすぎていません。
セールスマンですから、販売する商品には詳しいのですが、それを一生懸命訴えたりしません。
多くのセールスでは、その商品のメリットを伝えてきます。
当たり前ですよね。
この商品がどれだけ優れているかというアピール。
でも、商品のメリットを伝えられても、人は購入してくれないのですね。
セールスの上手い人は、その商品のメリットの向こうにあるものを訴えます。
ビジネスではよく言われるベネフィットというものですね。
その商品を使うことによって得られる価値とでも言えばいいでしょう。
たとえば、ここにダイエットサプリがあるとします。
ダイエットに興味があるから、その広告や記事を見ているわけですが、どこかでその人は、「そんなモノ飲んでも痩せられない」とも思っているわけです。
合理的な判断ができる、理性脳はネガティブな一面も持っています。
セールスマンが一生懸命その商品のメリットを訴えても、全く刺さってこないんですね。
そころが、ダイエットに成功して痩せた場合の価値を見せてあげることによって、その人の感情を動かすことができれば、反応があるのです。
その人の「感情」が大きく動くと、人は感情によって行動します。
痩せた自分に、合わせたい服。
そしてそのそばには憧れの人が一緒にいるシーンを思い浮かべることができると、その人はそのサプリを買ってしまうのです。
欲しいのはダイエットサプリではないのです。
ダイエットした後の未来が得たいのです。
その部分をうまく刺激し、感情を動かすことによって、購入へと導くのがうまいのですね。