神田先生は私と同じ1964年生まれなんですね。
本当に素晴らしい実績を持っている方です。
多くの方が尊敬しているので、私も神田さんの本を少しずつでも読んで、自分の血肉へとできればと思っています。
神田さんの凄いところは、もちろん相当優秀な方で、開成中学、高校から上智大学へ進学され、卒業後は、MBAを取得しています。
外務省でも仕事をされているなど、輝かしい経歴ですが、素晴らしいのは実は、それらの経歴を捨ててから、大変苦労をされて築き上げてきたことです。
この本にも書いているように、「泥臭いことを、スマートに実践するためにまとめた教科書」です。
そこには、人間の行動、心理から、実践的、効果的な広告、マーケティングのノウハウが書かれています。
すぐに結果を得ることはできないかも知れませんが、これらを実践しないのはもったいない気もします。
この本のまとめというか、エッセンスをいくつか記述します。
- 第一章 お客が来なけりゃ、会社は潰れる
- 第二章 なぜあなたは、お客をつかむことができないのか
- 第三章 ナマケモノのための顧客獲得法が生まれるまで
- 第四章 マーケティング常識11のウソ
- 第五章 小予算で優良顧客をつかむ方法
- 第六章 あなたの会社で、どのように使えばいいのか?
- まとめ
Kindle Unlimitedで読みました。
本当に素晴らしいサービスです。ありがとう
第一章 お客が来なけりゃ、会社は潰れる
行動のための指針
(1)社長の信念がどんなに立派であっても、社員がどんなに遅くまで働いても、商品がどんなに素晴らしくても、お客が来なけりゃ、会社は潰れる
(2)「いい商品」と集客力との間には、明確な相関関係はない。しかし「いい商品」であることをお客に伝える能力と、集客力との間には、明確な相関関係がある。
(3)ポジティブ思考よりも、ポジティブ行動を。
(4)お客は、器に集まるのではない。お客の集まるところに、集まる。
第二章 なぜあなたは、お客をつかむことができないのか
行動のための指針
(5)売り込むのではなく、相手から商品を求めてくるようにする
(6)「俺の話を聞けば、十人中九人は買うね」を自慢しても意味はない。「俺は魚がいるところにいれば、絶対釣れるね」といって自慢するようなものである。
(7)成約する可能性の低い客は、提案営業をしても決まらない。可能性の高い客は、提案営業をしなくても決まる。
(8)不況期のお客は、営業マンを警戒している。集客の入り口である広告宣伝で、顧客サービスを前面に打ち出し、営業マンと接触する前に良好な関係を築く。
(9)消費の欲求は、夜、起こる。だから広告宣伝も24時間対応することにより、反応がアップする。
(10)情報を整理してほしいというニーズが高まっている。商品選択基準を教えてあげることにより、スムーズに購買へ進む。
(11)ちょっとした言葉により、心の止め金が外される。そして購買につながる。
アメリカでは、結果を出さずに見込み客と商談を続けることを、「ダンスを踊っている」と揶揄される。つまりグルグル回っているだけで、なかなか前に進まないからだ。
今まで、営業マンの最も重要な能力は、お客を説得する力であった。しかし、今は優良な見込み客を集めてくる能力に代わったのである。
お客は、商品を選ぶ前に、必ず通る段階がある。「どの商品を選んだらいいのかな?」という商品の選択基準を知ろうとするのだ。このお客の情報ニーズを全く理解していないで、直接、商品を売り込もうとするから、お客は逃げていくのである。
逆に商品の選択基準を教えてあげる広告には、寄ってくるのだ。
「広告に反応するかしないか、購買するかしないかは、微妙な言葉遣いで、お大きく変わる」
→洋品店でのネクタイの販売
一般的な「お似合いです」と言わずに、「とても上品ですね」と対応すると、売れるという。
第三章 ナマケモノのための顧客獲得法が生まれるまで
(12)ダメだとあきらめそうになると、ウソのようにうまくいいくことがある。
(13)お客が集まったあとは、がむしゃらに働けばなんとかなる。集まったあとの体制を考えるより、まず集める。
ダイレクトレスポンスマーケティング
第四章 マーケティング常識11のウソ
広告代理店の95%は販売の素人
広告代理店は、あなたの商品を売ることが仕事ではない。
広告の効果測定を嫌う。なぜなら、効果測定をされてしまうと、自分の提案した広告の殆どが、売上で費用を回収できていないことが分かってしまうからだ。
常識が、いかに提供する側の都合のいい理屈出会ったのかが分かったのである。
儲かる広告と儲からない広告
儲かる広告は「印刷された営業マン」
イメージ広告とダイレクト・レスポンス広告
マーケティングのウソ【1】
景気が悪ければ、広告は減らすべきである
マーケティングの真実【1】
儲かる広告は、不況になってもカットする必要はない。むしろ広告費が安くなるから、もっとやったほうがいい。
マーケティングのウソ【2】
広告は何回も出さないと効果がない
1回出してダメな広告は3回出しても効果が上がらない
マーケティングの真実【2】
一度でお客を引っ張ってこられない広告は、何度やっても引っ張ってこられない。どこが悪いのか調べ、すぐに工夫をすべき。
マーケティングのウソ【3】
認知度がないから、広告は効果がない
イメージ広告を出しているから反応がない
マーケティングの真実【3】
認知度が低いことを気にする必要はない。真面目にやっている会社であれば、規模が小さいことは、今の時代、むしろ有利である。
広告を見させることと広告を見て行動を取らせることは違う
チラシをきれいに印刷すると売上が下がることもある
マーケティングのウソ【4】
写真やイラストを多用しなければならない
マーケティングの真実【4】
写真やイラストを優先してはならない。イメージにこだわらず、知恵を使って売る工夫を。
マーケティングのウソ【5】
ダイレクトメールは、短く簡潔に
「売り込み」とすぐわかると、DMは捨てられてしまう
ダイレクトメールのいい文章というのは、わかり易い文章ではない。行動させる文章が、いい文章なのだ。
→「読まなければならない」というものではない。売り込みとわかる簡潔な文章については、チラリと見ただけで、ゴミ箱へ直行する。
ダイレクトメールにも2種類ある。
素晴らしい文章で、「さすがだ」と感心されるが、ゴミ箱へ行くメール。
「なんだ、この会社はいきなり失礼な」と言いながらも、申込書に記入してもらうメール。
マーケティングの真実【5】
簡潔な文章は、会社の中だけで通用する。ダイレクトメールの文章は、簡潔さよりも、行動させられるかどうかを基準とする。
マーケティングのウソ【6】
低価格は重要である
お客はなぜ価格のことしか聞かなかったのか
お客が価格のことしか聞かないのは、あなたが価格以外の商品判断基準をお客に伝えていないからである。品質を見分けて、商品選択ができるようになるためには、大変な時間がかかる。そこでお客は、最も単純な商品選択基準、すなわち、価格に頼ることになる。
マーケティングの真実【6】
価格以外の判断基準を教えないと、お客は価格だけ求めてくる。お客は価値を求めている。お客は、判断基準を持つことにより、価値を認識できるようになる。
マーケティングのウソ【7】
顧客ターゲットは明確にしなければならない
想定した顧客ターゲットは必ず間違う
販売テストを行い、結果を判断するほうが効率的
マーケティングの真実【7】
お客は常に移動するから、頭の中だけでターゲットを想定することはできない。市場の情報を、販売テストを通じて常に把握すべき。
マーケティング常識のウソ【8】
理屈が通れば、お客は購入してくれる
まず「欲しい」という感情を刺激することが先決
商品自慢、会社自慢が広告に対する反応率を下げる
マーケティングの真実【8】
購買は「感情」で決まり、「理屈」で正当化される。そのため、商品説明は、ほしいという感情を持っている見込客に対してのみ、効果を上げる。
マーケティング常識のウソ【9】
お客につくせば、買ってもらえる
商談で「素晴らしいプレゼンでした」と言われることは、何の価値も持たない。成約して利益を出すことが価値なのだ。
営業成績が抜群に良いと言われる人に共通する秘訣
第一に、あまり喋らない。第二に、取引する可能性が高いお客かどうか、早い段階で見抜くということである。そして可能性の低いお客と判断すれば、そのお客にこだわることなく、次の可能性の高いお客を探すことに集中する。
しゃべる→商品説明を一生懸命する→売り込み臭が強くなる→相手は「売り込まれない」という防衛本能が働く
「見込客」をあえて自分から切ることが、逆にクロージングにつながった
どの営業マンに聞いても、相手を一旦断ることにより成功した例がいっぱい出てくる。
可能性の低い客にこだわりすぎるな
マーケティングの真実【9】
「お客様へ奉仕すれば、自然と売れていく」というのは現実的なアドバイスとしては、全く無力。可能性の低い見込客にはこだわらず、次の見込客を探すことが重要。
マーケティング常識のウソ【10】
顧客サービスが良ければ、売れる
ビジネスとは、「見込客」を得て、「成約」し、「固定客化」することである。
お客の進化に合わせて適切な手段を取る
見込客→成約=客→固定客(ファン化)
顧客サービスは既存客の流出防止に効果がある
新規顧客に対して販売するコストは高くなる
新規顧客に販売するには、当初、お客が持っている警戒心や不安感といった心理的なバリアを乗り越えなくてはならない。
商品がひどいとリピートはないが、一定水準を満たすものであれば、お客はあまり浮気しない。=「顔なじみの悪魔と過ごす」英語のことわざ。
マーケティングの真実【10】
「商品品質」「顧客サービス」が優れているから、お客が集まって来るわけではない。しかしその向上は、既存客の流出を避けるために必要である。これに加えて、新規顧客を低価格で引っ張ってこられる能力を持つことが、これからの成功のカギ。
マーケティングのウソ【11】
お客と対面することにより、信頼が生まれ、購買につながる
「どんぶり」営業から「システム」営業へ
営業マンは、話を聞いてくれるところばかり訪問してしまう
話を聞いてくれないお客を見込み客に育てるシステム
→いくら断られてもめげない強靭な精神を持つダイレクトメールにフォローをしてもらう。
継続的なフォローを行い、見込客を育てていくのである。頃合いが熟した後に営業マンに渡す。=「顧客育成プログラム」
営業の作業を細分化し、作業の難易度に応じて人材配置をすべきだ
マーケティングの真実【11】
人間関係は、目的ではなく、結果である。目的は、成約することであり、成約率を上げていくためには、営業の流れ作業化、システム化が必要。
第五章 小予算で優良顧客をつかむ方法
- .最小予算で小さな広告を出す
- ホームページや録音テープによる見込客のリスト化
- 120%の情報を含むダイレクトメールによる説得
- 継続的なフォローを行う
ツーステップ広告
広告で商品を説明するのではなく、商品に興味を持つ人を集めることに集中すること。商品説明をすれば、売り込みの匂いがプンプンして見込客を警戒させて逃していしまう。
広告の目的を一つにする
・広告の唯一の目的は、次のステップの情報にアクセスさせることを聞かせること。
心理的に商品説明をしたくなるが、物が溢れる世の中では、よほどユニークな商品以外、商品説明は意味を持たない。
商品説明を全部してしまうと、お客は勝手に「そんなものな」と理解してしまう。全部を一気に見せたらダメ。顧客の興味を掻き立てる内容に徹すること。
そして次の行動を促す。ホームページを見てもらったり、資料請求をしてもらったりすること。一歩一歩着実に進む。
コンプレックス産業
かつら、包茎手術、美容形成外科、エステ
ちょっと恥ずかしいけれど相談してみたい
→24時間無人録音型案内
見込客をふるいにかける
冷やかし客を減らしていくことができる
何がお客の行動意欲を動かすかについては、お客に聞いてみるのが一番早い。
なぜ他社製品が数ある中で、あなたの商品を買わなければならないか?ダイレクトメールで説得力のある説明をする。
「他社と同じような品質」「他社と同じような価格」「他社と同じようなサービス」→お客さから見て、あなたの商品を買う理由がない
→「気絶するほど魅力的な提案」と「圧倒的な差別化」
どんな行動をとってもらいたいかの目的をはっきりして、必要な情報を提供する
警戒心を解く。お客様の声を同封する。
なぜお客はあなたから買わないのか?
その理由は3つある。
第一 「欲しくない」
第二 「お金がない」
第三 「あなたから買うのが心配」
第一はどうしようもない。
第二は安くするしか無いので、あなたの利益を奪ってしまう。
第三は努力次第でどうにでもなる。
行動のための指針
(14)ケチに徹して、最小予算で広告テストを行う
(15)広告の目的は、売ることではない。見込客を集めること。
(16)「24時間録音テープ案内」は、魔法の言葉。広告に対する反応をすぐにアップさせる。
(17)ダイレクトメールは、次の要素を含むこと。「気絶するほど魅力的な提案」「圧倒的な差別化」「120%の情報」「お客様の声」
(18)見込客のフォローを1回で辞めてしまうことは、小切手を換金せずに捨てるようなもの。
第六章 あなたの会社で、どのように使えばいいのか?
行動のための指針
(19)「うちの業界では、役に立たない」は、売れない営業マンの言い訳と同じ。
(20)後で失敗をするぐらいなら、今する。先に延ばしたところで、どうせ失敗する。
(21)考えるより、行動する。行動しながら、考える。
(22)ビジネスは、仮設と検証。テスト、テスト、テストしかない。
まとめ
大変勉強になる本でした。
こんな良い本が、Kindle Unlimitedで読めるなんて、とてもお得です。
Kindle Unlimitedでは手元においておけないので、リアルな本を買っても良いかも知れません。