朝、薄暗く、雪が降っていた。
大阪で雪が降るなんてことはほとんどないので、風情があっていいもんだと思った。
風があまりないので、雪が降っている割には寒くもなかった。
降り積もる雪を見ながら、詩人や俳人はその情景を切り取って、詩にしたのだろう。
私にもそういう嗜みがあれば、一句、あるいはポエムを口ずさんだのかも知れない。
君火をたけよきもの見せむゆきまろげ
学生の頃に、こんな俳句を習ったような気がする。
雪まろげという言葉がとても印象的で、そういう遊びを子供の頃にしたかったが、結局叶わず。
雪遊びをしたのはかなり大きくなった高校生。
学校からのスキー教室であった。
スキー教室へ言って、その後大学生のときは3度ほどスキーに行った。
結婚してからは全く行っていない。
今だと間違いなく怪我をしそうで怖い。
高校のスキー教室のときは貸しスキーと貸靴である。
今のような優れた靴ではなく、なんと革製。
一日スキー教室で履いているとじんわりと水分が染み込んできて、足が冷たかった。
スキーもストッパーなどがなく、足首に紐をつけるタイプ。
スキーを靴にはめこむときにはそのストッパーを外さなくてはならず、ゲレンデの上で、スキーを外して、そのままスキーが下にすっ飛んでいったと言うやつもいた。あっぶね~。
なんだか昔を思い出す。
懐かしい。
こんなことを言っていられるのも、雪が降っても、積もらないし、雪による影響というものもあまりないからだろうと思う。
大阪では降っても地面の温度がそれなりに高いのか、積もらない。
土の上などには薄っすらと積もっているが、アスファルト上はすぐに溶ける。
気温もそんなに低くはないのだろう。
雪国の人にとっては、雪がキレイだとか、風情があるとか、そういう感覚にはならないと思う。
雪国のホテルやペンションなどでは、予め雪で埋まってしまうことを前提とした建物も多いらしい。
今年は例年と比べて積雪量が多く、大変だと思う。
雪かきの経験とうものがないが、かなりの重労働だという。
若い人ならともかく、年配の人にとっては、屋根の上に乗って雪をかくなんてことはだんだん難しくなるのだろう。
本当に大変だと思う。
雪が多くて、スキー、スノーボードといったウインタースポーツにはもってこいなんだが、今年はコロナの影響で、スキー場にも客はあまりいないと思われる。
昨年は雪が足りずに、スキーができないというのが話題になっていた。
まだコロナの問題が本格化する前である。
皮肉なもんだ。
そんなことをちょっと思い浮かべる雪の降る日であった。