女房が借りていた本を私が読んだ。職場の同僚がこれを見て、この原作の漫画を持っているという。読みにくいのであれば漫画を貸そうかといってくれた。マンガ?イメージが湧かない様な作品だった。特に序盤は。序盤は展開がなんとも微妙で読んでいても眠気を誘うばかり。そんなことを話していたら、「漫画なら…」と言われたわけだ。
中盤になってだんだんと物語というか描かれる世界がわかってくる。不思議な世界。ありえない世界。しかしSFだ。なんでもありといえばなんでもありだ。
終盤になり話をとても面白くなる。眠気よりも読みたい気持ちが勝ちだす。そして全てが解き明かされた時にはなんとも言えない味わいがあるSFだと感じた。後半は展開もダイナミックでのんびりした感じは全くない。
全体を通して、人間、神、生、死、罪、罰、ということが語られる。すごく哲学的な感じ。時々出てくる散文のような詩のような文章。あまり好きではないが、物語のアクセントにはなっているのだろう。
初めてこの作者の本を読んだが、いろんなタイプの小説があるものだ。
女王の百年密室 (Gentosha novels―幻冬舎推理叢書)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/11
- メディア: 新書
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