Netflixで見たドラマです。
全8話。
1話が大体50分ほどですが、中身は結構濃かったですね。
概要およびキャスト
監督:江口カン
脚本:金沢知樹
小瀬清(猿桜):一ノ瀬ワタル
主人公。
北九州の恵まれない家庭で、見事に不良に育った粗暴な人物。
猿将親方:ピエール瀧
小瀬清の才能を見込んでスカウトした親方。
相撲の実力は素晴らしいが、部屋は経済的には厳しい状況。
清水:染谷将太
相撲が大好きな青年だが、体格がないため、見込みがありません。
清の理解者であり、彼の才能を羨ましく思いつつ励ましていきます。
おかみさん:小雪
猿将親方とともに部屋を切り盛りする女将さん。
実は理事長の隠し子であり、相撲協会には結構顔が利く女性です。
小瀬(父):きたろう
元々は寿司屋を営んでいたが、借金で店を取られてしまい、妻にも逃げられ、今やその日暮らしの生活です。
小瀬(母):余貴美子
元々は夫と仲睦まじく寿司屋をやっていましたが、甲斐性なしの夫に見切りをつけて、奔放に生きています。
息子の清を金蔓と思っているフシがあります。
猿谷:澤田賢澄
猿将部屋の部屋頭で元関取。
しかし膝の怪我で幕下まで下落し、復活をかけて稽古に励んでいます。
相撲取りの鏡のような人物として描かれています。
猿河:義江和也
猿将部屋の力士で、生意気な清を目の敵にします。
このドラマでは意地悪なのですが、どこか間抜けでお笑い担当ですね。
静内:住洋樹
清と同じく入門したばかりの力士ですが、その能力は規格外であり、幕内上位力士からも「怪物」と恐れられている力士です。
過去には凄惨な事件があり、天涯孤独の人生を歩んでいます。
犬嶋親方:松尾スズキ
猿将部屋を目の敵にしている意地悪な親方です。
現役時代に同世代であった猿将にいつも阻まれた苦い思い出があり、その時の仕返しです。
現役時代と違い、引退後はうまく立ち回り、協会内での地位は盤石な状態。
龍谷親方:岸谷五朗
ガチンコ力士として名を馳せた人物。
息子の龍貴は実力、人気ともに素晴らしいのですが、親方にしてみれば、頼りなく見えてしまうのでした。
龍貴:佳久創
相撲界の将来を担う若手のホープ。
大関に昇進したばかりの力士。
国島飛鳥:忽那汐里
元政治部の記者でしたが、左遷され、相撲番となりました。
相撲に全く興味はありませんでしたが、男尊女卑で閉鎖的な組織に反発し、相撲界では異端児の猿桜に興味を持ちます。
時津:田口トモロヲ
猿将部屋、特に怪我からの復帰を目指している猿谷を贔屓にしている相撲番の記者。
国島の上司。
安井:毎熊克哉
スクープを売るフリーの記者。
相撲界で大物になりそうな予感のある静内の過去を暴きます。
七海:寺本莉緒
キャバクラのホステスで彼女も九州出身で清とすぐに意気投合します。
あらすじ
小瀬清は九州の不良を絵に書いたような人物。
腕っぷしは強いが、その力をカツアゲなどに利用しているのです。
そんな小瀬清に相撲界への入門をスカウトしたのが猿将親方でした。
清は相撲には全く興味がありませんでしたが、お金には非常に興味がありました。
彼には目標があり、それは借金で取られてしまった寿司屋を取り戻すことだったのです。
猿将部屋に入った清でしたが、相撲には興味を持てず、態度も悪かったために、部屋の先輩たちからもいじめ抜かれます。
態度が悪く、真面目に稽古もしない清でしたが、才能があるのか一番下の階級では、いきなり優勝します。
しかし、相撲界は儲かると聞いていたのにもらえた給金は僅かなものでした。
親方に暴言を吐き抗議する清でしたが、部屋の力士たちに逆にボコボコにされてしまいます。
アホらしくなって脱走する清。
しかし、そんな清をやめないように説得したのは相撲を愛する清水という青年でした。
清水は清とは違い、体も小さく、力士には全く向いていません。
ただ相撲が好きでたまらないので、この世界に身を投じたのでした。
感想
主演は一ノ瀬ワタルという人物。
全然知りませんでした。
その他力士を演じる俳優さんたちは知っている人はいませんが、どの俳優さんも立派に力士を演じており、リアリティという点では申し分がありませんでした。
実はこのドラマ、ネットフリックスで製作すると決まってから、主人公を演じる一ノ瀬ワタルさんを始めとする力士を演じる俳優さんは、1年間もかけて肉体改造に取り組み、股割、四股、すり足などのトレーニングを積んだそうです。
ライバルの静内、猿将部屋の猿谷などは元力士であり、そもそも基礎ができあがっています。
本場所の相撲のシーンも見応えがあるのですが、やはりこのドラマの主戦場は部屋での稽古だったり、それ以外の力士たちの人生だったりします。
お笑い要素もふんだんにありますし、ガラの悪いシーンもあります。
そして閉鎖された相撲界への批判とも取れるような八百長相撲というものにもスポットライトが当たっています。
またタニマチと呼ばれる人たちもう登場します。
相撲が好きでタニマチをやっているだけでなく、お金があれば、力士を侍らす、というステータスシンボルとして力士を囲うということですね。
男芸者と呼ばれたりするのもそういうことなのでしょう。
物語としては主人公は最終的に幕下でライバル静内と再戦するところで終わりますが、もっと見たいと思えるような終わり方でした。
脇を固める俳優陣も素晴らしく、泥臭いところもたくさん見えてきます。
主人公の母親を演じる余貴美子さんは、体当たり演技というか、ちょっと見ていられないような醜態も演じています。
これが女優魂何でしょうかね。
薬物問題で芸能界からしばらく疎遠になっていたピエール瀧さんですが、さすがの存在感です。
怪物静内は顔の頬に火傷のような跡があり、「フランケン」と清に呼ばれていますが、ものすごい巨漢です。
元力士で体重は200キロを超えている人物。
主人公の一ノ瀬ワタルさんも大柄な人物ですが、彼を前にするととても小さく見えますね。
映像の取り方にもこだわりがあるのか、スローモーションが適度に入ったり、立会時の土俵からのローアングルなども見られて、これまで見たことのない映像も楽しめました。
相撲に興味のある人には批判もある作品だと思いますが、楽しめましたね。