悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

プロのスポーツ

スポーツは本来見て楽しむものではなく、するものだとは思うが、私のような運動不足の中年になるとスポーツということ自体が困難になってくる。体を少し動かすだけでもヤレヤレという感じで、本人は真剣にやっていても周りからはお笑いでしかない。
ということで満足にスポーツを楽しむことができない人には見て楽しめるものでもある。私はくだらないバラエティなどよりもスポーツ中継が好きである。そこには勝利に向けての真剣なやり取りがあり、そのために信じられないような高等な技術が見られるからである。
しかし、日本の国技と言われる相撲も相次ぐ不正で揺れている。なんといっても今回の八百長騒ぎは今までの不祥事とは質が違う。
数年前に週刊文春だか、ポストだか忘れたが、週刊誌が元関取の板井の証言などから八百長を記事にして相撲協会と裁判にまでなったが、結局は敗訴。まあ、裁判でそう判断したからいいが、八百長なんて昔から相撲では当たり前とうそぶくお偉方もいる。石原都知事なんかそうだ。
どんなスポーツでも手心を加えるということはあろう。引退選手に花を持たせるというシーンはプロ野球でもよくある。もちろんペナントレースが白熱している試合では無理だが、消化試合に過ぎない後半戦などで引退表明した往年の選手に花を持たせるというのを見たことがる人は多いだろう。これも一種の八百長である。
現役力士の八百長の動かぬ証拠が出てきて、それが白日のもとにさらされるという極めて恥ずかしい事態に陥った相撲界。メールでの星のやり取りなどは誰が見ても八百長を思わせる。ストレートな表現である。
「立ち合いは強く当たって流れでお願いします」
「了解致しました!! では流れで少しは踏ん張るよ」
この間1分とはそんじょそこらのコールセンターでは真似のできない速い返電。素晴らしいレスポンスである。
今や昔の話となってしまった、若貴時代はチケットを取るのも大変なくらいの人気であったが、その後の凋落ぶりはすごい。
決定づけたのは朝青龍の引退事件。若貴が抜けたあと相撲人気も落ちてきた。その中でもヒールとして強さと憎たらしさを誇っていた朝青龍。彼に責任をかぶせるかのように引退をさせてしまう。もちろん素行が良くないという事実もあった。しかし、人気力士の素行がみんないいのだろうか?若貴を含めて一般人からは信じられないような素行をしているはず。もちろんそういう世界だから一般人と同じ生活をしろというわけではない。むしろ、朝青龍を引退させても何にも変わらない。変わるべきなのは元横綱の素行ではなく、相撲協会そのものの体質、親方衆なのではないか?
今の若い人には相撲界はまったく魅力がない。昔、子沢山で食べさせるのも難儀な時代には相撲部屋というのは体の大きい子供たちにとっては腹いっぱい食える特殊な場所であり、そこでの上下関係が人間を育て、相撲取りとして成長もあったと思う。今の時代にそのままのスタイル(もちろんかなり変わってきて入ると思うが)では弟子の獲得すら難しいだろう。事実そうだ。
そこで日本人以外のところに目を向ける。体も大きく海外からくる若者たちと戦わざるを得ない日本の力士は勝てなくなるのでますます魅力のない世界となる。見ている方も外国人力士ばかりで、これが国技?という思いである。ぶつかって倒れたり押し出されたり。大きな体の力士がぶつかる。それはそれで魅力だが、なにか物足りない。
国技として守りたいのなら、能や狂言のようにほそぼそと一部のものでやればいい。それでも好きな人は講演会なり、寄付金なり集めてするだろう。国からの予算も最低限で済むはずである。見たいという人が多ければテレビ中継もいいけど、今や誰も見ていないんじゃない?特にこれからの日本を担う若者はまったく興味がないと思う。
相撲を純粋なスポーツとして勝ち負けをはっきりさせるとなると今のシステムでは八百長は防ぎ用がない。いくら厳しくしても絶対に無理だと思う。およそ格闘技と言われるものには必ず八百長、手心があるはず。でないと総合格闘技なんてただの殺人ショーになってしまう。プロレスは言うに及ばず。あれはあれで楽しければそれでいい。ファンも喜んでいるし。

斎藤佑樹投手のフィーバーぶりがやや異常に思う。いつものことかもしれないが、まだプロで1球も投げていな投手に対して周りがつきまといすぎ。確かに注目をあびるのはいいが、度がすぎる。マスコミのひどさは今に始まったことではないが、今後もこんな事ばかりやっていると全てのプロスポーツや娯楽を潰してしまうのではないか。マスコミは必要だと思うが、肥大化しすぎた。その肥大したマスコミを食わせるために美味しいネタをたらいまわしし消費者に食べさせ続けるのはいかがなものか。正直飽き飽きしており、斎藤佑樹は嫌いでも何でもないが嫌いになってしまいそうである、と感じているのは私だけではないはず。
プロ野球とサッカーに関してもそうである。マスコミと深く付き合いのあるプロ野球は金銭でのベースが大きいためかマスコミでの扱いは別格である。一方、サッカーはお金が無い為かマスコミもそれほど深くは取材していないような気がする。本当はアジアカップのことをもっと特集すべきなのに優勝で湧いたのは二日間ほど。気がつけば佑ちゃんフィーバーである。
サッカーを愛しているものからすると「これっておかしくね?」である。
まともなプロ野球ファンにとってもまだプロでの何の実績もないものに対して連日の報道でうんざり。無理やり餌を喉に詰め込まれるフォアグラ状態。ゴメン、勘弁して欲しい。
私はプロ野球も年に何度か見に行く。野球も大好きである。阪神タイガースソフトバンクホークスのファンである。でも阪神タイガースの熱狂的なファンにはちょっとついていけないな〜。野球の楽しみ方が違うと言ってしまえばそれまでだけど、ピンクのタイガースのユニフォームにお気に入りの選手の背番号を入れて、黄色い声援を送っている姿はジャニーズを追っかけている人たちと変わらんな〜という気がしている。
斎藤佑樹を追っかけている女性ファンなんかもそう。野球をどこまで知っているのか知らないけれど、まだ何もしていないよ、この人。

野球とサッカー。常にファンはいがみ合っているような印象があるが、私はどちらも別のスポーツであり、それぞれ楽しめるものだと思う。そういうものから感じるのはプロ野球は恵まれすぎているということ。あんな選手でも1億円を超える年棒というのはよくあること。本当に稼げるのは野球だと思う。かたやサッカー選手。選手の寿命自体も野球より短いにもかかわらず、年棒はたいしたことがない。もちろん一部の海外移籍組はかなり貰っているが、Jリーグどまりの選手は現役時代に多くのお金を残せないはず。ドラフト1位の野球選手ならその契約金だけでも、引退後の足しにはなるだろうけど、Jリーガーじゃなかなか難しいのではないか。よく走らないけど。

サッカーの記事を書ける記者があまりいないというのと、読者層が年配の方が多いスポーツ紙、新聞紙ではサッカーよりも野球ということなんだろうかね。若い子たちはサッカーの記事はネットで見る。サッカーは金にならないというのがマスコミの本音なのかも。

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