「メモの魔力」という本が注目された前田裕二さん。
「メモの魔力」は読んでみたのだけれど、今ひとつ馴染めず、最後まで読破できず。
たぶん「メモの魔力」の読書を再開することはないと思う。
という訳で、前田裕二さんとは合わないのだろうと勝手に決めていた。
とか言いながら、今回Kindle Unlimitedでこの本を手にとった。
何の変哲もなさそうなタイトルだが、こちらはまだ読みやすかった。
どんな本なのか?
自伝的な本人の生い立ちからのストーリー。
実業家として株式会社SHOWROOMを起業させるまでの話などが中心になっている。
頭の良い人であるのは間違いない。
なかなかできることではない。
幼い頃に親をなくし、歳の離れた兄が親代わり的なところもあったようだ。
ミュージシャンを目指していた時期もあったが、それではダメだと気づいてからの行動力が凄い。
というか、潜在能力が高い人なんだろう。
にこやかな表情とは裏腹に、ものすごく負けず嫌いで、逆境をバネに、悔しさをエネルギーに昇華させてきた人である。
強い。
この本は「自己啓発本」として、読んでみるのは悪くない。
若い世代の人たちのお手本になるのかどうかはわからない。
前田さんのような生き方が、真似できるとも思えないのである。
貧しくて、ストリートミュージシャンのようなことを子供の頃からやっていた。
不良のようなことをしてきた時期があると言いながら、大学は一流である。
そして大学卒業後は外資系投資銀行。
それもDeNAの会社を蹴って、就職したらしい。
外資系でも抜群の営業成績で、トップをひた走り、若くして海外へ。
海外でも外国人が舌を巻くほどの働きぶりだったというのだから、その能力たるや凡人から見れば、超人、スーパーマンである。
そんな中でも読むべき、気に入ったポイントをいくつか書き留めておく。
この本の良かった文章の抜粋
ストリートミュージシャンであった幼い頃
「濃い常連客」を作ること。
「コミュニケーション可能範囲」に入ってきてもらうこと。
リクエストを受け、それに答える努力、時間を投入する。
それによって、お客さんのために必死で覚えてきたというストーリーがあり、お客さんとの絆ができる。
お互いを一人の人間として認め合い、「ヒト対ヒト」の絆をつくる。
コミュニティ=絆の集合体
コミュニティには、現代人が価値を感じる要素が詰まっている。
表層的なコンテンツ価値以上に、絆、すなわち、心への強い紐づきや、裏側にあるストーリーに価値を感じて人が消費してくれる
コミュニティの成功に影響を与える最大変数は、後天的な努力の絶対量。
なぜスナックは潰れないのか
地方の場末のスナックが潰れないのは、コミュニティがそこにあるから。
どう見ても流行っていないのに、潰れない。
一見さんお断り
「信頼している人からのクレジットこそが新しい信頼を生む」
キンコン西野さん
キングコングの西野亮廣さん→「お客を中の人にした」
「えんとつ町のプペル」で「共犯者を作る」
つまり、一人で作って10万人に売るのは難しいけれど、10万人で作ったら、最低10万人が買うであろう。
エンタメ界のクオリティ
エンタメにおける「クオリティ」定義が変わってきている
おもしろいと感じるものが、昔とは変わってきている。
旧来の伝統的な「クオリティ」を求めると、有名な俳優や監督をキャスティングして、豪華なセットを使って、行き着く先は何十億もかけて製作するハリウッド映画になる。
逆境を強みに変えれることを証明したい
自らコントロールできない外部の問題によって、挑戦が阻害されたり、個人の能力に差が出ることが悔しい。
→強い霊を持ってぼうっとうすれば、その差ははねのけられる。むしろ、逆境が人をより高みに導くという価値観を強くもち、自分の人生でそれを証明して見せたい!
前田さんが尊敬するUBSの上司の宇田川さん
好かれる天才であるが、それ以上に「ヒトを好きになる天才」
他人と接して、その人のいいところや、感謝できるポイントを自然に見つけて、まず自分から本当に好きになってしまう。
当たり前のことを圧倒的なエネルギーでやり続ける
営業電話に出てもらえなかった新人時代に言われた言葉
「プライドはコミュニけーションのじゃまになる。」
バカをしてまで自分をさらけ出す事が出来るやつに、コミュニけーションの扉は開く。営業の心理とも言える秘訣を掴んだ。
「誰に仕事を頼みたいか?」という判断の場合では、人情や愛嬌と言った人間的な要素が最後の決め手
ハードスキルより重要な人当たりのセンス
優れたスキルや高度な情報を持っているだけの人はそれほど重宝されない。
なぜなら競争の激しい世界ほどスキルの優れた人はいっぱいいいて、代替可能。
思いやりとは「他者の目」を持つこと
コミュニケーションに求められることはシンプルで、相手の立場に立つこと。
スキルよりも愛嬌。自分が何を与えたいかよりも、相手が何をほしいのか。
モチベーションがはっきりしていることが大事。
そのエネルギーを源泉として頑張れる人が、勝つ。
最も不幸なことは、価値観という自分の船の指針、コンパスを持っていないということ。そして持たぬがゆえに、隣の芝生が青く見えてしまうこと。
選ぶ、ということは、同時に何かを捨てること。
何かを得ようと思ったら、他の何かを犠牲にしないといけない。人生の質を高めるのは、選択と集中。
僕は、ビジネスや勉強が大好きです。なぜなら、正しい方法で、やればやるだけ「必ず」成果が出せるから。成果が出ないときは、方法が正しくないことがほとんどなので、また戻って、方法論のチューニングをすれば良い。
僕は、愚直になにかに打ち込む人、夢を持って努力を継続する人が、シンプルに大好きです。でも、実際には、努力しても報われないことが多い。それは真実です。だけど努力をしないことには、成功はありません。
この本は読みやすく、ためになることが書いてあった。
ちょっと出来杉君だが、若くても相当な苦労もしてきている人物であることがはわかる。
おとなしそうな雰囲気だが、かなり負けず嫌い。
ビジネスで成功する人で負けず嫌いでない人はほとんどいないと思うけどね。