野球が好きな人で若い人もちろんいる。
大声を上げて応援しているのはおっさんばっかりだと、子供の頃は思っていた。
が、その当時のおっさんより、歳をとってしまったのか、今は大声を上げている客が若く見えてしまう。
ストーブリーグという言葉もあまり使われなくなった。
この言葉を使う人達はやはりちょっと年配の人たちになるんだろうか。
若い人は野球ではなく、サッカーやその他のスポーツと言われるものの、まだまだ野球の人気も捨てたものではない。
野球では契約更改やトレードなどの話題となる。
プロ野球好きには、このストーブリーグの成り行きというのも非常に楽しいものの一つである。
贔屓のチームの補強が来年の夢を見させてくれるからである。
今日は日本ハムの斎藤佑樹の契約について、予想通り大炎上していた。
日本ハムというのは現場ではなく、球団経営サイドが年俸を始めとして、補強やらを決めているらしい。
ダルビッシュ投手や大谷翔平選手といったスターが抜け、戦力が低下。
年俸の上限が決まっているのか、主力選手がFAで抜け続ける球団体質。
ファンの気持はたまらないだろう。
もちろん有力な選手が抜ければ、その穴を埋めるために若手にチャンスがめぐり、新陳代謝が良くなるという効果はある。
ただし、それが公平であればである。
斎藤佑樹投手。
甲子園のスターであり、大学は早稲田のエース。
ドラフトの目玉として4球団が競合。
押しも押されぬ大スターだった。
甲子園でわかせたもうひとりのスター、田中将大投手はヤンキースのエースとしてメジャーで活躍しているのは御存知の通り。
大きく差がついたものだが、そんなことはもういいい。
問題は斎藤佑樹投手の今後である。
もう、数年前からいつクビになるのか?というのが話題になり、この時期の風物詩の一つとなっている。
プロ野球選手というのは「夢」のある仕事である。
だからこそ、多くの若者が人生のすべてを賭けて戦う価値があると思っているわけである。
斎藤佑樹投手もプロ野球選手になるという「夢」を叶えた。
ドラフト1位というだけでも凄いが、4球団も競合しての指名だからそれは凄いことである。
ちなみにこの世代は黄金世代。
田中将大投手を始めとして、ドジャースに行った元広島の前田健太投手、巨人の坂本勇人選手など同じ年齢の高卒選手に後のスターになった人が多い。
話を戻そう。
斎藤佑樹投手はドラフト1位で入団した年には6勝を上げた。
それは微妙な数字で、「斎藤は大したことがない」という専門家と、「いや、1年目から6勝上げるんだから凄い」という専門家がいた。
6勝上げたと言っても6敗しているし、その内容に疑問視する人も多かった。評価する人は「勝ち方を知っている」だの、「試合を作る能力が高い」だのいろいろと言われていたものである。
プロ入り前から、その能力を疑問視する人もいた。
体が小さい。
スピードがない、伸びしろがない。
小さくまとまっている。
もう解説者や専門家というのは言いたい放題だな、と思っていた。
しかし、今のなってはその全てが、そのとおりという結果になっている。
体が小さいのは仕方がない。
ただ小さくてもプロで活躍する投手もいる。
ヤクルトのライアン小川投手や楽天の則本投手なんかがそうである。
プロ野球選手としてはふたりとも決して恵まれた体格ではないが、ともに素晴らしい球を投げる。
斎藤投手はその素晴らしい球というのが入団当初からなかった。
甲子園で活躍していた頃、彼の球は速く、そして鋭いスライダーで気持ちの良い投球をしていた。
それは高校野球レベルだったからか。
大学に行ってもかれは「そこそこ」活躍した。
凄まじいというほどの投手ではないが、「持ってる」と言われ、本人もその店を自覚していた。
「強運」も味方していたのだろうか。
その運気というものを勝負の世界では何よりも重要。
それが4球団の競合ということに現れたのか?
甲子園のアイドルで、大学卒業してもその人気に陰りはなく、入団1年目からスターであった。
同学年ながら、甲子園では勝った田中将大投手がいた。
彼は高校卒業後ドラフト1位で楽天へ入団。
彼も高卒ながら4球団の競合だったはず。
私が敬愛する野村監督率いる楽天で、田中投手は鍛え上げられた。
4年後、プロで再会したときには成長した元ライバルの姿が彼の目にはどのように映っていたのだろう。
甲子園で優勝し、大学野球でもエース。
4球団の競合、ドラフト1位指名。
才能がなければ、ここまで来れない世界。
才能もあり、努力もしたはず。
それは紛れもない事実。
だが、少年隊の憧れる「夢」の舞台では、才能があって努力するのは当たり前の世界である。
同時に結果がすべての世界でもある。
残念ながら、齋藤投手は結果は残せていない。
伸びしろもなく、決め球もないなどの批判もあり、焦る気持ちもあったのだろうか。
投手としての資本である体、肩、肘などを故障し、全盛期の力からは程遠い球しか投げられなくなっている。
スピードはなく、変化球のキレもそれほどではない。
となるといくら投球技術が優れていても、精密機械のようなコントロールが求められるが、それもない。
通常ならクビであるが、不思議なくらい契約更改で「また来年頑張る」という話で終わる。
350万円減の1250万円。
プロ野球選手として、ドラフト1位の一軍経験者としては低い年俸。
今年は一軍での登板機会もなく、二軍の成績も散々。
二軍の選手からも容赦なく打てれていた。
斎藤選手よりも若く、数字もよいのに、クビになっている選手が大勢いるのに「なぜ?」という疑問が出ても当然であろう。
そして期待値が限りなくゼロの選手に対して1250万円もの年俸をもらって野球を続ける彼に対して、コロナ禍で仕事もままならない若い世代の「負のエネルギー」が集まる。
斎藤佑樹投手が悪いのではなく、悪いのは球団である。
彼の現役を認めるのであれば、他の選手のクビになった理由と、斎藤佑樹投手の現役続行を認めた理由というものの説明が必要。
Yahooの投稿にあったが、もはや「ネタ」にされている状態。
故障で活躍できなかった→思うような投球ができない→来年頑張る。
ずっとこんな感じである。
球団もどういう裏事情があるのか知らないが、現役を続けさせるのは彼にとっても酷ではないかと思う。
Yahooより~
彼には良いい意味でも悪い意味ですごい記録を持っている。
高校生の時の流行語大賞で「ハンカチ王子」
4年後の新人1年目での「持ってる」というのも話題になった。
そして通算15勝だが、先発で60試合登板して15勝というのは長いプロ野球の歴史で彼が唯一。
もう先発の役が回ってくることもないので、この記録は伸びないだろうが、現役にこだわるほど実績のある選手ではない。
引退した阪神の藤川投手は全盛期よりは衰えたとはいえ、引退試合で見せたストレートは149キロを記録していた。
それでも引退する世界である。